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槙野智章が語る、成長と失意の1年。
CWC、肉体改造、そしてあのPK――。 

text by

飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/01/20 14:00

槙野智章が語る、成長と失意の1年。CWC、肉体改造、そしてあのPK――。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

昨季のベストイレブンで、日本代表に名前を連ねる槙野智章は間違いなくトップクラスのDFだ。昨年はプロ初タイトルを手にし、次の目標を見据えている。

鈴木優磨に与えたPKについて何を語るのか。

――その決勝の第2戦、先制したものの前半のうちに追いつかれて、やはり焦りが生まれた?

「焦りはなかったと思いますけど、不安というのは芽生えてしまったのかなと思います。まあ、結果論ですけどね」

――鹿島の2点目は、槙野選手が鈴木優磨選手にPKを与えてしまったことが原因でした。ファウルを減らすことをテーマに2年間、取り組んできて、実際に減っていただけに、あの大一番でPKを与えてしまったことは、相当なショックだったのでは?

「相手もうまく前に入ってきて、コース取りもうまかったですからね……。あれに関しては僕の責任なので、改善しなければいけないと思っています。ただ、PKを与えてしまったあと、諦めて下を向いたかというと、そうじゃなかった。やるしかないと切り替えて、1点を奪い返しにいく姿勢は示したつもりです。いつまでも引きずらないのがプロだと思うし、あのミスを取り返せるかは今後の自分次第。そう思っています」

クラブワールドカップから受けた大きな刺激。

――鹿島が出場したクラブワールドカップは見ました?

「もちろん、見ましたよ。印象的だったのは、鹿島の選手たちの顔つきが、Jリーグのときと全然違ったこと。あと、チャンピオンシップ後に、鹿島の選手たちが『年間1位は浦和だから素直に喜べない』というようなことを言っていたけれど、クラブワールドカップでの彼らの戦いを見て、『王者はやっぱり鹿島なんだな』と思ったのも正直なところ。果たして、僕らが出ていたら決勝まで勝ち進めていたかどうか……。鹿島の勝負強さを改めて見せてもらったし、大きな刺激をもらいました。あの鹿島に来季こそ勝ちたい――そういう強い思いが芽生えました」

――レアル・マドリー戦は、どう見ていたんですか?

「正直、最初はレアルを応援していたというか、レアルの戦いが楽しみでした(笑)。だから前半は、モドリッチしかちゃんとやってないじゃないか、って思ったり。でも、柴崎選手が逆転ゴールを決めてからは、気づいたら、鹿島を応援していたんです。頑張れって、自然と。あと、やっぱり羨ましかったですよね。同じポジションで言えば、昌子選手なんか本当にイキイキとプレーしていた。彼があんなに感情を表に出して、指示を出す姿は代表では見たことがなかった。あれ、自然に出たんだと思うんですよ。そういう姿が見られたのは、本当にいい刺激になりましたね」

【次ページ】 「新シーズンは流れの中でのゴールを狙いたい」

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