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武豊がオススメする騎手、
戸崎圭太が語る「本当に強い馬」。
posted2016/12/19 17:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Takuya Sugiyama
今年9月、Number913号のインタビューで、武豊さんにお願いしてみた。
――武さんは、許されるときは馬券も買われるそうですが、読者に買い方を指南していただけませんか?
JRA所属馬通算4000勝の大記録を打ち立てた大騎手は、さらりと答えた。
「『戸崎でいいんじゃないですか』、と書いておいてください(笑)」
あの武豊が、認める男。戸崎圭太とは、いったいどんな騎手なのか。
36歳。
公営出身ながら、すでにJRA通算640勝以上を挙げ、JRA移籍2年目の'14年、続く'15年にはJRA賞最多勝利騎手に。今年も176もの勝利を積み上げ、リーディング2位。1位のクリストフ・ルメールとは、わずか1勝差である(12月16日時点)。
それほどの騎手だから、きっと勝気で自信に満ち溢れた人だと想像していた。ところが、Number917・918号「夢の有馬記念」特集で、'14年のジェンティルドンナについて語る戸崎さんは、とても謙虚な人だった。
勝っても敗けても、謙虚さはそのままに……。
「僕の成績が上にいるのも、やっぱり馬が走ってこそだと思うんです。そして馬が走るってことは、そういう馬を集めてくれる人がいたり、そういう馬を育ててくれる人がいるからこそ。レースに勝ったからといって、『僕がやってやった』とは思わないですよ。
'14年に初めて有馬記念を勝ったことで、少なからず自信はつきました。でも、そこでまた新たな課題が生まれますし、日が経てば、まだまだ未熟だなって感じるんです」
勝っても勝っても謙虚さは失わない。
特に「僕とは雲泥の差がある」と明かしたのが、凱旋門賞を2度制したことのあるライアン・ムーアだった。