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ロマゴンと井上尚弥が遂に同階級に!
世紀の一戦の実現は“義務”である。
posted2016/09/12 11:30
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
AFLO
日本時間11日、米カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムでWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチが行われ、挑戦者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が王者のカルロス・クアドラス(メキシコ)との無敗対決を制し、4階級制覇を達成した。
4階級制覇は、世界的スターで母国の英雄、故アレクシス・アルゲリョの3階級制覇を上回る快挙だが、全階級を通じて最も優れたボクサーと言われるゴンサレスがキャリア最大の試練を強いられる内容だった。
はたしてゴンサレスは今後、どんなプランでチャンピオンロードを突き進んでいくのか。この試合をリングサイドで見守ったWBO同級王者、井上尚弥(大橋)との“怪物対決”は実現するのだろうか─―。
クアドラスのパンチを少なからず被弾し、ゴンサレスのベビーフェイスは見るも無残にはれ上がった。フルラウンド戦ってのスコアは117-111、116-112、115-113。持ち味である圧力、たたみかける連打がポイント獲得につながったとはいえ、挑戦者有利の予想が圧倒的多数だったこともあり「苦戦」のイメージが色濃く残った。
ミニマム級から上げてきたロマゴンが体格差に苦しむ。
「今までで一番難しい試合だった」とコメントした、ゴンサレスの疲れ切った表情が試合内容を物語っていた。
苦戦の一番の要因に挙げられるのは階級アップであろう。ミニマム級、ライトフライ級、フライ級とクラスを上げてきたゴンサレスは、クアドラスに比べてはっきりとひと回り小さかった。距離が遠いため、いつになくパンチが流れる姿が見られたし、クリンチをされてもすぐに振りほどけないシーンも目に付いた。体格差の影響が随所に見られた。
「厳しい試合が続いてる影響もあったのではないか」と指摘したのは、ミドル級世界ランカーの村田諒太(帝拳)だ。