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“世紀の対決”アリ戦から40年。
猪木・IGFは中国大陸を攻める!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2016/09/08 11:30
今年中にはマカオで「アントニオ猪木vs.モハメド・アリ 格闘技世界一決定戦40周年記念大会」を開催予定というIGF。
「北京の天安門広場でプロレスをやるという夢」
「中国だけれど……'90年に一緒に黒竜江省のハルピンに行ったよね? 2試合だったし、ボクシングのリングだったけれど、(プロレスが流行る)感触はあった。北京の天安門広場でプロレスをやることだって夢物語じゃなかった。今では、中国というマーケットはみんな狙っている。IGFは上海が拠点だけれど。WWEも行くんだよね」
私にそう話しながら、猪木は26年前の光景を思い浮かべていた。
6月、WWEはIGFにいた中国人プロレスラー、ワン・ビンを獲得して、上海で大々的なキャンペーンを行った。
「戦いの理念があるのに対して、IGFの方向性が見えない。いろいろ不満があるというのもわかっている」と猪木は言う。だが、それをレスラーと現場がどう感じているかだろう。
「俺はもう育てるのを含めて現役じゃないし、どうしろ、こうしろとは言わない。試行錯誤があっても構わない。でも、イノキの看板を使うなら、恥ずかしくない試合をしてほしい。そして、失敗を恐れずに、もっと夢を追ってほしいよ」
そう言って、猪木はギラリと目を光らせた。