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宇佐美貴史の移籍後の命運を占う。
アウクスの監督は“超”守備的戦術。
posted2016/07/03 08:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
ハイリスク、ハイリターンの船出となる。
それが宇佐美貴史のアウクスブルクへの移籍である。すでにメディカルチェックを済ませ、契約も正式に交わすまでに至っている。
かつて細貝萌も所属したアウクスブルクは、2011-12シーズンにはじめて1部に昇格すると、着実に力をつけてきた。一度も2部に降格せず、昨シーズンはクラブ史上はじめてヨーロッパリーグ(EL)に出場した(グループリーグを突破したELとリーグ戦の両立に苦しみ、昨シーズンは残留争いにも巻き込まれたが)。
しかし、クラブを初めてELに導いたバインツィアル監督が、昨シーズン終了後にシャルケに引き抜かれてしまった。
代わりにやってきたのが、シュスター監督だ。彼の手腕に目を向けると、宇佐美がこれから直面する状況のヒントを探ることができる。
監督は過去5シーズンで3度の昇格経験者。
シュスターは、2011-12シーズンにシュツットガルト・キッカーズを4部から3部に昇格させて名をあげると、2012-13シーズンの途中にダルムシュタットの監督に就任。ダルムシュタットでは、2013-14シーズンに3部から2部への昇格を決め、その翌シーズンに1部に昇格。2年連続で上のカテゴリーに進む快挙をなしとげた。過去5シーズンで実に、3度も昇格を経験した。
昨シーズンのダルムシュタットで、クラブとしては34シーズンぶり、監督としては初めて1部での戦いをスタートさせたとき、1年での降格が濃厚とみられていた。しかし、14位につけ1部残留に導いた。