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デュラント&ウェストブルックの試練。
スパーズ撃破でサンダーは伝説に!?
posted2016/05/06 19:00
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph by
Getty Images
「レギュラーシーズンでスターと記録は生まれるが、レジェンドが生まれるのはプレーオフから先」
NBAで昔から聞く言い伝えです。
現在、そのプレーオフの熱い戦いが連日繰り広げられています。東西ベスト4が揃っていますが……西地区サンアントニオ・スパーズとオクラホマシティー・サンダーの地区準決勝のカードには、ある因縁があるのです。
西地区2位のスパーズと3位のサンダーとの対戦は、プレーオフ前半で最も注目度が高いと言われています。この戦いで勝った方が、順当に勝ち上がると期待されている王者ウォリアーズへの挑戦権を手に入れます。それだけでも十分このカードへの期待が高まります。
格の違いを一気に覆した――4年前のサンダー伝説。
因縁とは、4年前の2012年西カンファレンス決勝にさかのぼります。
当時スパーズはトニー・パーカー、エマヌエル・ジノビリ、ティム・ダンカンのビッグ3による安定した活躍で、レギュラーシーズンを1位通過。対するサンダーはケビン・デュラント、ラッセル・ウェストブルック、サージ・イバカ、ジェームス・ハーデンの4人が若きスターとして台頭し、シーズン2位の成績を残しました。
プレーオフに入れば、百戦錬磨のスパーズが経験の浅いサンダーに勝つと誰もが思っていました。実際、スパーズは決勝ラウンドまで無敗の8連勝。サンダーとのシリーズも順調に1、2戦を勝利しました。
特に、2戦目の内容のあまりの格の違いに、現地では、「スパーズによるバスケットボールクリニックが披露された」と一斉に報道され、経験未熟なサンダーが完成度の高いスパーズにスイープされて終わってしまうかのようでした。しかし、総合力で自分達を遥かに上回るスパーズに対し、サンダーは開き直りともいえる底力で3戦目から覚醒し、4連勝してスパーズを撃破。
個人能力が爆発したとき、それはセオリーや理屈を凌駕することを証明したのです。