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天才の親には共通の特徴がある!?
宇佐美貴史の例にみる、最新子育て論。
posted2016/02/29 11:15
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Kiichi Matsumoto
京都府長岡京市の一般的なサラリーマン家庭。1992年に、3人兄弟の末っ子として生まれたのが宇佐美貴史である。
サッカーとはまるで縁がなかった両親がどうやって、17歳にしてガンバ大阪で公式戦デビューを果たし、日本代表としても活躍するスター選手を育てたのか――。
宇佐美貴史の両親、和彦さんと美紀さんを取材した作家・吉井妙子さんに取材時のお話をうかがった。
「男の子を3人も育てたのですから、食費をはじめ家計も本当にたいへんだったはずなんです。なのに、息子にのびのびサッカーをやらせたいということで(後述するある理由から)わざわざ一軒家まで購入したりね。お父さんのお小遣いは毎月2万円、お母さんも洋服を買わないようにするなど自分たちのことは切り詰めた生活だったようです。でも、その当時のことを苦痛だと感じさせるような言葉は取材中一切聞きませんでしたね。むしろそういう思い出を楽しそうに語っていたのが印象的でした」
両親は共にとても明るい方だったという。
「長男の子育てで反省することがあったということでシリアスな話になったときも、オープンマインドに笑って話せる感じでした。何かあったとしても、それをマイナス思考で捉えるのではなく、常にプラス思考で考える持ち主に見えましたね」
トップアスリートの親に共通する特徴とは?
吉井さんは宇佐美のほかにも、大谷翔平や萩野公介、白井健三、宮原知子ら今を時めくトップアスリートの親の取材を重ねてきたが、彼らの家庭にはいくつか共通する子育てのルールがあったという。当然、宇佐美家にもその共通点は見られた。
「例えば、親が率先して子供にいろんなきっかけを作ってあげていること。宇佐美家の場合、両親ともに最初はサッカーに興味はなかったのに、たまたまスーパーの抽選で当たったガンバ大阪の試合のチケットがきっかけで、熱狂的なガンバサポーターになったというんですね。貴史くんは、幼い頃からお母さんにおんぶされて毎日のように練習場に行き、早朝から並んでスタジアムの最前列に陣取って試合を見てきたそうです。6歳年上になる長男が入っていたサッカークラブの練習に、2歳のころからついて行き、公園でひとりで何時間でもボールを蹴っていたというんですよ」