Number ExBACK NUMBER
謙虚な好青年か? 無鉄砲な若者か?
宇野昌磨、氷上で劇的に変わる性格。
posted2016/02/18 13:15
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Ai Hirano
2015年3月の世界ジュニア選手権に優勝し、今シーズンからシニアデビューした宇野。GPシリーズ2戦で活躍すると、いきなりファイナル進出を果たした。初舞台のGPファイナルでも堂々の演技で、羽生結弦、ハビエル・フェルナンデスという2人の世界王者に続いて3位に。12月末の全日本選手権では羽生に次ぐ2位となり、次世代エースとして名乗りを上げた。
そんな宇野の取材は1月中旬、Number895号で掲載された宮原知子のインタビューと同じ日、同じ場所で行われた。宇野と宮原、2人は普段の練習拠点は異なるものの、今年4月に大学進学を控えた高校3年生。同世代として共通する部分も多いのだろうかと考えていたが、取材で感じたのは、正反対と言ってもいい2人の才能あふれるスケーターの姿だった。
インタビューと撮影は、まず宮原の取材が先に行われ、入れ違いに宇野の取材が続けて行われた。2人の性質の違いは、写真撮影の際から表れていたといえる。カメラマンの平野愛さんが語る。
宮原と宇野の「静」と「動」。
「宮原さんはこういう撮影に慣れてないのか、とても緊張している様子で、私がこういう姿勢を取ってほしいとリクエストすると、さっとそのポーズを取って、あとはずっと集中して同じ状態を保っている。一方の宇野さんは逆に、こういう格好をしてほしいと決めてからも手や上体を動かしたり、一番いい写り方をずっと探しているようで、よく動くんですね。『静』と『動』というと大げさだけど、ずいぶん対照的な2人やなと思いました。撮影が終わったあとのインタビューも聞いてたんですけど、そのエピソードも正反対で、興味深かったですね」
対照的だったのは、例えば学校生活についてのコメントだ。宮原はNumber895号のインタビューでこう答えている。
「友人が何でも話し合える大切な存在で、趣味のことも勉強のことも色々話します。学校のテストは、直前にバーッと詰め込むんですが、友達が『この辺が出るよ』とか教えてくれることも」