スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
往年の名ブランドのロッドで
ベイエリアのシーバスを釣る。
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph byPure Fishing Japan
posted2016/01/27 10:00
自称“筋金入りアングラー”が厳冬のスポーツフィッシングを敢行。それも、あれほど熱中していたマグロやGTといった大物ではなく、ベイエリアのシーバスを狙うらしい。その意図とは? また、タックル(道具)は何を選ぶのか?
奥山 いきなり釣り竿なんか持ち出して、いったいどうしたんスか?
高 そりゃあ決まってるでしょ! 筋金入りアングラーとしては寒い冬でも釣りに行かなきゃね。なにしろ俺に釣られたがってるおサカナちゃんが、いっぱい待っているからね。
奥山 でも、日本各地の主な川や湖は禁漁期でしょ!? 暖かい赤道直下の海に、マグロとかを釣りに行く暇なんてありませんよ。ゴルフ雑誌の締切が迫っているんですから。
高 マグロやGT(ジャイアントトレバリーの略。日本名:ロウニンアジ)といった海の大物釣りは、まだ道具や技術が確立していない30年ほど前からやり始め、コツコツと試行錯誤を繰り返して一応の結果を出したから、ここ最近は自重しているんだよ。
奥山 ほほう、高さんにしては神妙な態度ですね。
高 うむ。道具選びもラインの結び方も、ポイント選びもルアーの動かし方も、すべてトライ&エラーの繰り返しでサ、何年もかかってようやく40kgのGTを、それも世界一難しいとされている石垣島のリーフで釣り上げたからね。また、ジギング(重いルアーで海底を狙う釣り)では、なんとか50kgのキハダマグロを釣ったしね……。
奥山 それだけでも、凄いじゃないですか。
高 いやいや、昔は道具もスキルもそれがせいいっぱい! 今じゃあ、もっと細いロッドやイトで、もっとデカい魚を釣りあげているんだよ。それにしてもお金はかかるし、特殊な技術を習得しなきゃいけないのは変わらない。随分と熱中していたけど、海の大物釣りってかなりマニアックだと、今頃になって悟ったわけ。
名ブランドのロッドが高品質かつリーズナブルに!
奥山 さっきから振っている竿が、どうりで細っこいと思いました。それって、まさかマグロ用じゃないですよね?
高 うん、これはシーバス・ロッドだよ。シーバス・フィッシングはサイズを追求しなければ比較的簡単にヒットし、そして強いファイトを経験できる初心者向けの釣りなんだよ。
奥山 中学生の頃からシーバスを経験している高さんが、今さらシーバス釣って楽しいんですか?
高 釣りそのものが特殊なアウトドアレジャーなんだから、さらにマニアックなマグロ釣りよりも、一般の人達にはポピュラーなシーバスの醍醐味を訴求した方がいいでしょ!? だから、改めてシーバスを釣ろうかなと思ったんだよ。最新の道具事情も知っておきたいしね。
奥山 で、選んだのがそのロッドですか。やっぱり高さんは高価な道具しか使わないんでしょ?
高 いやいや、昔はロッド1本に5万、10万もかけたけど、それもまた特殊な一例。マニアックな釣り人とか上級者とかじゃなくて、初心者でも気軽に買えて、そして使いこなせるロッドを選んだんだよ。
奥山 ……とか何とか言っちゃって、アブ・ガルシアと言ったら僕でも知ってる名ブランドじゃないっスか。高いんでしょ!?
高 アブ(Abu)社はもともとスウェーデンのリールメーカーで、アメリカのガルシア(Garcia)社を買収してアブ・ガルシアになり、その後さらに米国のピュア・フィッシング社が買収。総合釣具メーカーの傘下に入ったこともあって、高品質でリーズナブルなラインナップを展開しているのが魅力だな。その中でも、つい最近デビューした「Salty Style SEABASS(ソルティースタイル シーバス)」をチョイスしたんだ。
奥山 随分と軽そうですね。
高 そう、このロッドくらいに軽さと感度を追求すると、かなり高価格になりがちなんだけど、ソルティースタイルは“もっとソルトゲームを身近に楽しむため”に生まれたブランドだけに、非常にリーズナブルな価格設定が魅力なんだよ。それでいてロッドの素材はもちろん、グリップやガイドなどのパーツも最新&高品質なモノを採用しているんだぜ。