オセアニア王者には通じた。次はアフリカだ。

　オークランドは後半から両ウイングが中に絞り、FWマイカ・リーアラファのドリブル突破に活路を見出そうとしたが、最後まで決定機が生まれることはないままタイムアップの笛が鳴り響いた。広島の最終ラインの中央で「人垣」を引き締め続けた千葉和彦は、手応えをこう口にしている。

「相手の19番（リーアラファ）のドリブルには警戒したけど、それ以外に怖さはなかった。ディフェンスとディフェンスの間で受ける技術、ターンの精度は、Jリーグで対戦している相手のほうが上だと思う」

　ボールは支配されながらも、スコアは2－0。結果面でも内容面でも広島の完勝だった。Jリーグの“ガラパゴス戦術”は、少なくともオセアニア王者には通用した。

　次なる相手は、マゼンベ。果たして12月13日、アフリカ王者は広島とJリーグの常識に驚くだろうか。