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チームの「中心」から一度は脱落。
オリックス・伊藤光は再起できるか。

posted2015/11/11 10:50

 
チームの「中心」から一度は脱落。オリックス・伊藤光は再起できるか。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

伊藤の'15年シーズンの出場試合104に対し、山崎は79試合、若月は5試合。他のライバルには20試合出場の伏見寅威もいる。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Nanae Suzuki

 今年10月1日、オリックス福良淳一監督代行の、次期監督就任記者会見が行なわれた。

 今後チームの中心になってほしい選手は? と聞かれた福良監督代行はこう答えた。

「全員に期待してるんだけど、やっぱりその中でも野手では、Tと安達が引っ張っていってくれないと」

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 ん? 1人足りない……。囲んでいた記者の誰もが思った。

 今シーズン途中まで指揮を執った森脇浩司前監督は、「チームの中心になっていってほしい選手」を語る時、必ず「T-岡田、安達了一、伊藤光」の3人がワンセットとなっていた。

 しかし新監督の口からは、捕手・伊藤光の名前は出なかった。

 それが今、伊藤の置かれている立場を物語っている。

 それは伊藤自身が一番痛感していた。

「今は立場的にレギュラーとは言えない。しっかり現実を受け止めて、考えてやっていきたい」

2014年には最優秀バッテリーにも輝いたが……。

 昨年、オリックスは開幕ダッシュに成功し、夏場まで首位に立ち続けた。ソフトバンクとの激しい優勝争いに敗れたが、堂々の2位躍進だった。

 その中で、伊藤は137試合に出場し、打撃でも勝負強さを発揮して正捕手の座をガッチリとつかんでいた。ゴールデングラブ賞、ベストナイン、そして金子千尋とのバッテリーで最優秀バッテリー賞にも輝き、捕手として獲れる賞を総なめにした。オフには選手会長にも就任した。

 迎えた'15年シーズン、オリックスは大型補強をしたこともあり、ソフトバンクと並ぶ優勝候補に挙げられていた。

 ところが、フタを開けてみると、開幕4連敗。1勝したあとまた4連敗。また1勝して次は引き分けを挟んで6連敗と、悪夢のようなスタートで、あっという間に借金がふた桁を超えた。

【次ページ】 屈辱の二軍落ちと若手捕手の台頭。

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