「本物の勝利に値する」

　町に帰るバスの中で、イングランドのジャージを着た年かさのサポーター（アルコールはとうに抜けた様子だった）が興奮気味に声をかけてきた。

「今日のジャパンは本物の勝利に値する。お前らは本当にすごいことをやったんだ。本当に」

　翌朝、ジャパンの戦士たちがデカデカと一面を飾る現地紙を買い集めた。これを日本に持ち帰って、早くラグビーの特集を編みたい。彼らの物語を伝えたい。ブライトンの海に面したカフェのテーブルで新聞を繰りながら、まるで試合の前のような、燃えるような気持ちになったことを覚えている。

　Number887号の第2特集は、そんな思いのひとまずの結晶です。全16ページ、エディー・ジャパンの激闘が生んだ熱狂をできる限りパッキングしました。豪華執筆陣による現地レポートを、ぜひご一読ください。そして12日未明に行われるアメリカ戦、あらん限りのエールをともにジャパンに送りましょう。