濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
里帰りしたWWEのスーパースター!
元新日のベイラーが日本公演で戴冠。
posted2015/07/10 10:40
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Essei Hara
毎年恒例のWWE日本公演が、7月3日・4日に両国国技館で開催された。日本大会ではなく日本公演というのがWWEらしい。
アメリカ・コネチカット州スタンフォードに本社を置く、この世界最大のプロレス団体は、選手を“スーパースター”、彼らが見せているものを“スポーツ・エンターテインメント”と呼ぶ。愛憎渦巻くストーリー展開が試合と同等の見せ場となり、ストーリーライターの存在も公になっている。会社にはストーリー部門というセクションも。ニューヨーク証券取引所に株式を公開しているだけに、業務内容に“隠し事”があってはいけないわけだ。
ただし、ストーリーが展開し、タイトル移動などの“主なできごと”が生まれるのはテレビ中継枠のみ。それ以外の公演はハウスショーと呼ばれる。日本公演もその一つだ。いわば世界規模の“地方巡業”である。
演出もすべて本物。気分はもうアメリカ!
ハウスショーでは、テレビで見るような豪華なセットは組まれていない。トップ選手が勢ぞろいするわけでもない。それでも、各地のWWEユニバース(ファン)は、その日を待ちわびている。アメリカに行かない限り、世界中で愛されているスーパースターたちを生で見られるのはこの機会しかないのだ。そして彼らは、WWEに対する思いをここで爆発させる。
観客の多くは選手のTシャツを着て観戦。
声援もアメリカそのままのものを送る。
エースであるジョン・シナには“Let's go CENA!”のチャントであり、素晴らしい攻防には“This is awesome!”。本場の雰囲気を再現することで、ユニバースたちもショーの一部となる。