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川尻達也、1年半ぶりの復帰戦勝利。
日本格闘技界も揺れた37歳の生き様。

posted2015/06/27 10:50

 
川尻達也、1年半ぶりの復帰戦勝利。日本格闘技界も揺れた37歳の生き様。<Number Web> photograph by Getty Images

1年半ぶりの試合でもその卓越したテイクダウン能力は健在だった川尻達也。9月の日本大会への参戦も希望している。

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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 UFCベルリン大会の中継を見ていたら、選手紹介テロップとして「OLDEST」という言葉が目に飛び込んできた。

 確かにそうだ。現地時間6月20日に行なわれたこの大会の出場選手の中で、37歳の川尻達也は最年長だった。

 しかも、これが1年2カ月ぶりの復帰戦である。昨年1月のUFCデビュー戦は新鋭ショーン・ソリアーノに一本勝ちしたものの、4月の2戦目は人気選手クレイ・グイダに敗北。その後、6月に左目の網膜剥離が発覚する。網膜剥離はこれが3度目。家族や仲間には引退を伝えていたそうだ。

完全アウェーの地で迎えた、不安だらけの復帰戦。

 だがそれでも、山田武士トレーナーが見つけた病院での新たな治療法にかけ、現役続行の道を選ぶ。手術後はエアロバイクで汗を流すことから始め、プロ練習に復帰できたのは今年に入ってからだった。

 そういう苦しみを経ての復帰戦である。ただでさえ不安だらけだったはずだが、加えて対戦相手が地元ドイツのデニス・シヴァー。状況としては、ほとんどがんじがらめと言っていい。

 だが川尻は、試合が始まるとすべてを振り払うようにバックスピンキックという大技を見せた。これはシヴァーの得意技だ。さらにバックブロー、遠い間合いからの蹴りも目立つ。そして、相手を撹乱した上でタックルへ。かつては打撃戦にのめり込んでしまうところもあった川尻だが、ここ数年はスタイルを変え、グラウンドで相手をしっかり抑え込むことで勝利を重ねてきた。

【次ページ】 川尻は、無骨で泥臭い戦い方にこだわった。

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