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ストレート主体の投球で一皮むけた?
路線変更の斎藤佑樹、今年は勝てる。 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph bySPORTS NIPPON

posted2015/03/23 12:15

ストレート主体の投球で一皮むけた?路線変更の斎藤佑樹、今年は勝てる。<Number Web> photograph by SPORTS NIPPON

「周りが良くても悪くても、自分が良くないと(先発ローテ争いには)勝てないんで」と、己の道を行くべくコメントしていた斎藤。

「スピードはあんまり関係ない」

 この日最速の145キロをはじめ、140キロ台のストレートは7球。130キロ台が当たり前だったはずの昨年までとは見違えるほどの力勝負を披露したわけだが、斎藤本人は「(スピードが速く表示されると言われる)神宮っていうのはありますし」と、全く意に介さなかった。

 意識していたのはボールの質。

 斎藤は自身の投球に、確実に手応えを感じていた。

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「スピードはあんまり関係ないけど、走っていたボールはあったのが収穫でした。真っ直ぐに意味はあったと思います」

 強いて挙げるとすれば、山田への3球目と、川端を打ち取ったボールになるだろうか。いずれも外角低めに投じられた145キロのストレートには威力とキレがあった。それこそ、早稲田実時代にマークした、自己最速の148キロのボールを思い出させてくれるほど、ボールに力強さが漲っていた。

今年のテーマは、ストライクゾーンの中での勝負。

 ただ斎藤には、大学時代からプロ入り後もしばらく、球速やストレート勝負のスタイルに執着していた過去がある。そのことによって、本来の投球を見失う苦い経験をしてきたことは、多くの人間が知るところだ。

 この日もストレート主体ではあった。だが、2回をたった16球で抑えられた背景には、斎藤に確固たるプランがあったからなのだ。

「今年のテーマとしてはずっとそうなんですけど、ストライクゾーンの中で勝負するということを意識しています」

 内・外角のコーナーにストライクを投げ分ける。そこに変化球を織り交ぜることで打者の打ち気を逸らし、凡打を得る。ヤクルト打線に対しても、スライダー、カットボール、フォークなどを要所で投げたからこそ、相手を圧倒できた。

 しかし、斎藤の自己評価は厳しい。

「今日は先発と違って2イニングしか投げなかったので、ベストなボールを投げることを意識しました。右バッターも左バッターにもインコースの真っ直ぐはよかったですけど、失投もありましたし、相手もたまたま早打ちしてくれたというのもあるので、100点満点ではなかったです。もっと、コーナーにしっかり投げなければいけないな、と」

【次ページ】 チームメイトに死球を与えても、インコースへ!

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