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早くもリオ五輪の金メダルが見えた!?
競歩世界新記録・鈴木雄介の可能性。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byKyodo News

posted2015/03/17 11:45

早くもリオ五輪の金メダルが見えた!?競歩世界新記録・鈴木雄介の可能性。<Number Web> photograph by Kyodo News

鈴木は、中学時代には3000m競歩、5000m競歩でそれぞれ中学最高記録をマーク。高校・大学・社会人と、国の内外を問わず各種大会で優勝してきた。

マラソン並みのスピードと複雑な面白さがある競技。

 競歩は、その名前とは異なり、初めて間近で見た人は必ず驚くというほど速いスピードで進んでいく競技である。

 今回、世界新記録を出した鈴木の歩みを、そのまま平均時速に置き換えると15km強の速さとなる。これは、一般人ならとうに全速力で走っているスピードである(男子マラソンの世界レベルだと20km程)。この数字からしても、競歩における「歩く」とは、一般人の「歩く」とまったく別次元だということが分かるはずだ。

 そして、競歩の競歩たる所以のルールとして、常にどちらかの足が地面に接していなければいけないというのがある。

 競歩の国際大会でさえ失格者が出ることが珍しくないように、速く進もうとすれば、当然両足が地についていない状態になりそうになる。それが強制的に封じられた、抑制された中でスピードをあげるには、筋力、フォーム、持久力などが総合的に問われる。練習もまた、マラソンに負けず劣らずハードでもある。

 鈴木は、レースで失格になったことがない、つまりフォームの美しさに定評のある選手だ。そのフォームを築くまでにも、多くの努力があっただろうし、それが成績となって花開きつつある(まだ伸びしろがある!)のが、現在の段階なのである。

 鈴木の先の言葉には、そんな自負と誇りも込められているのではないか。

リオ五輪で、十分に金メダルが狙える種目に!

 鈴木は「リオデジャネイロ五輪で金メダルを」と口にしてきた。鈴木の進化を考えれば、それは決して非現実ではない。

 そして日本に有力選手がどんどん増えてきた今日、お互いが切磋琢磨することでさらにレベルをあげることができる好循環にもある。

 競歩はマラソンと異なり、アフリカの選手たちが現在のところは少ない。この点でも、リオでの日本選手の大いなる活躍を期待させる。

 現在、現役選手として世界のトップレベルで戦う彼らの成績は、そのまま日本競歩界の歴史を塗り替えていくことに直結する。

 まずは今夏の世界選手権で、日本史上初のメダルを目指す。

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