スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
こだわりの縫製&ディテールが生み出した優しい肌触りが魅力! 着心地満点の日本製スウェット。
posted2015/02/05 10:00
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph by
Nanae Suzuki
“スマート”奥山泰広氏と、その相棒の“ワイルド”高成浩氏。
ここ最近スポーツ男子やカジュアル女子の間で、ぐんぐん人気が高まっている「スウェット」。アメリカ生まれのスポーツウェアがブレイクしたのは、“日本製”スウェット、LOOPWHEELERが要因とか!? その真相を探る!
奥山 そろそろ春が近づいて来ましたね。
高 えっ? 昨日の夜は極寒で、雪がチラチラ舞ってたんだけど……。
奥山 ファッション業界は既に春の装いです(キッパリ!)。高さんもいつまでもフリースのジャケットを着込んでないで、春のスポーツウェアに着替えたほうがいいですよ。この『スポーツはカタチから入る方なんです』の担当なんですから、流行のウェアを着て、みんなにトレンドの流れを発信しなきゃ!
高 はいはい。んじゃあ今、人気のウェアは何なの?
奥山 それはずばり、スウェットです。
高 スウェ~~ットォ~~?? 懐かしいねぇ。ジーンズ、Tシャツと並んで、20世紀を代表するアメリカン・カジュアルウェアの3大傑作だな。他の2つが1960年代後半には流行していたのに比べて、スウェットが日本で市民権を得たのはちょっと遅いんだよ。
奥山 へ~、ファッションに疎い高さんにしては、よく知ってますね。
高 1977年に劇場公開された映画『ロッキー』がきっかけで、スウェットが日本の若者の間に広まったんだよ。シルベスター・スタローン演じる主人公ロッキー・バルボアが、ボロボロのグレーのスウェットを着てトレーニングをするシーンが印象的でサ、当時の若者はみんなロッキーを真似て、運動時には必ずグレーのスウェットを着たんだよ。かくいう俺もその1人で、ロッキーと同じ所を破いたりしたもんサ。だから覚えているんだよ。
奥山 なるほど。でも、イマドキはボロボロではなく、きちっとスウェットを着こなすのがお洒落なんですよ。そしてお薦めなのが、“日本製”のスウェット、「LOOPWHEELER(ループウィラー)」です。
高 ホントだ。袖のトコロにカタカナで「ループウィラー」って書いてあるよ。
良質なデイリーウェアとして「快適な着心地」を優先。
奥山 ループウィラーの凄いトコロは、本場アメリカのスウェット特有の“古き良き風合い”を、忠実に再現していること。作業効率が悪い旧式の吊り編み機を使うことで、編み目が詰まった厚みのある生地を実現。それでいてふんわりとした仕上がりになっているんです。
高 ほほう、確かに触るとちっともゴワゴワしてないね。裏地はとってもフワフワしていて、まるで俺が飼っているアラスカンマラミュートの子犬みたいに優しい手触りだな。
奥山 アラスカンマラミュートがどんな犬か知りませんが、まぁ、「優しい手触り」は正解です。さらに、縫い目を平らにして、着用時に肌への刺激を少なくしているんですよ。
高 うむ、かなりディテールにこだわっているんだな。
奥山 そうなんです。さらにループウィラーが凄いのは、古き良き風合いを追求しながらも、現代のクオリティに対応する品質を実現していること。袖や丈のリブはかなりしっかりしているので、高さんみたいなデブが着ても全然ダラ~ッと伸びないんですよ。
高 そうそう、昔のスウェットはすぐにダラダラグデグデとしてたっけ。当時はスウェットってそんなもんだと思ってたけど、このループウィラーを検分する限り、しっかりとした作りの方が断然良いね。
奥山 実は20世紀末にスウェットの大ブームが勃発。日本のヴィンテージレプリカが世界的に大流行したんですけど、このループウィラーは単なるヴィンテージ主義とは違い、あくまでも良質なデイリーウェアとしてスウェットを作り続けてきたんです。