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元浦和コーチ・モラス雅輝の決断。
オーストリア2部のコーチに就任。
posted2014/12/08 10:40
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
SV Horn
「SVホルンは2017年に1部昇格という明確なビジョンを 持っており、さらに新GMとも仕事をしたいと思っていた。 それがオファーを受けた決め手です」
モラス雅輝(オーストリア2部・SVホルンのコーチ)
日本サッカーが強くなるためには、選手だけではなく、指導者がヨーロッパのプロリーグで活躍しなければならない――。ここ最近、多くの人が課題意識として感じていることだろう。元日本代表の藤田俊哉も、今年からオランダ2部のVVVフェンロでコーチを務めている。
そして12月1日、新たにひとりの日本人指導者が、その一歩を踏み出した。元浦和レッズコーチのモラス雅輝が、オーストリア2部・SVホルンのコーチに就任することが発表されたのだ。
モラスはオーストリア・インスブルックに在住し、同国サッカー界と強いつながりがあったとはいえ、なぜ35歳の日本人指導者にオファーが届いたのか?
4部時代にともに優勝を経験した監督との絆。
そこには大きく2つの理由がある。
まず1つ目は、SVホルンのクリストフ・ヴェスターターラー監督と旧知の仲だったことだ。
この元オーストリア代表FWは、2006年にインスブルッカーACというクラブを4部で優勝させて、3部に導いた経験がある。そのときのコーチがモラスだった。2007年1月、宮本恒靖と三都主アレサンドロのレッドブル・ザルツブルク加入に伴い、モラスもこのビッグクラブに引き抜かれたが、その後も2人はコンタクトを取り続けていた。
そして9月下旬、SVホルンは成績不振で監督を解任して、コーチだったヴェスターターラーが監督に昇格。新たなコーチが必要となり、レッドブルや浦和で経験を積んだモラスの名がリストアップされた。