セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
交錯するイタリアとアジアのサッカー。
デル・ピエーロは何を伝えたのか。
posted2014/11/12 10:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
今年も“Made in Italy”が、中国を制した。
11月2日、イタリアが誇る名将マルチェロ・リッピ率いる広州恒大は、中国超級リーグ4連覇を達成した。
最終節までもつれた北京国安とのデッドヒートを制し、リッピを胴上げした選手たちの中には、今年2月に移籍してきた元イタリア代表MFアレッサンドロ・ディアマンティや、夏に加わったベテランFWアルベルト・ジラルディーノがいた。
天才肌のディアマンティは「夏場の3カ月は相当堪えた」と亜熱帯気候の酷暑をぼやきながら、ACLと超級リーグ合わせて10ゴールを挙げた。
ジラルディーノもボローニャ時代の盟友のおかげでチームへすぐに馴染み、2人はともに坊主頭となって、中国全土のスタジアムを駆け回った。10歳も20歳も若返ったような顔つきの彼らは、新天地でタイトルの美酒を味わったのだ。
インドに集まる元スーパースター達。
ヨーロッパからアジアのサッカー界を目指す“脱欧入亜”の動きが加速している。
10月には、インドでも新たな構想による「インド・スーパーリーグ」が始まった。
同国のサッカームーブメントを本格化させようとする新リーグには、欧州中の元一流選手たちが集められた。
FCプネー・シティのエースFWは、2002年のセリエA得点王FWダビド・トレゼゲだ。アーセナルやビジャレアルで長く活躍したMFロベール・ピレスを擁するFCゴアでは、あのジーコが指揮を執る。
中国超級リーグの上海申花に所属した経験もある元フランス代表FWニコラ・アネルカは、ムンバイ・シティFCへ。脇を固めるのは、'11年から清水エスパルスでもプレーしたMFフレドリック・ユングベリだ。
チェンナイインFCには、3年前に一度現役引退した強面DFマルコ・マテラッツィが兼任監督として加わり、意外なコーチ能力を見せている。11月9日現在、A・マドリーと提携するアトレチコ・デ・コルカタとチェンナイインが首位を争う。