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W杯決勝の審判はどうやって決まる?
過酷な“査定”と“トーナメント”。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2014/07/08 10:30

W杯決勝の審判はどうやって決まる?過酷な“査定”と“トーナメント”。<Number Web> photograph by Getty Images

2012-2013シーズンにはCL決勝の主審も務めたリッツォーリ。自身最後のW杯で、決勝の笛を吹くことができるだろうか?

重要なのはフィジカルとメンタルのコンディション。

 FIFAのマッシモ・ブサッカ審判選考委員長は、自身も過去2大会で笛を吹いた。大会前の審判トレーニング・キャンプで、自ら短パン姿になって後輩たちを走り込みでしごいた。

 走り負けしていては、高速化したプレーに追いつけない。

 頭がクリアでなければ、複雑化する試合の流れを読めない。

“ファイナル・レフェリー”として選ばれるためには、正確なジャッジと潤滑な試合進行能力はもちろんのこと、「どれだけフィジカルとメンタルのコンディションを整えられるか」(同委員長)が絶対条件なのだ。

 日韓大会のファイナルで笛を吹いたピエルルイジ・コリーナは、現在UEFAの審判選考委員長職にある。イタリアが生んだレフェリー界の巨人は「決勝の笛は、どの大陸出身者にもチャンスがある」と言いながら、後輩リッツォーリが今大会見せてきた仕事ぶりを高く評価し、後押しする。

 本業は建築士、今年43歳になるリッツォーリにとって、これが最初で最後のW杯だ。「決勝戦に行くのは、自分ではなくイタリア代表であってほしい」という開幕前の望みは絶たれた上に、決勝の笛の行方もわからない。

 ただし、リッツォーリは別の願いもブラジルW杯に込めていた。

「テクニカルで、スピードがあって、スペクタクルに満ちた大会になってほしい」

 リッツォーリの願いは、彼自身が裁いた3つの試合で十分実現したのではないだろうか。

<追記>

 7日、発表された準決勝以降の4試合を裁くためのリスト15人が発表された。

 最有力候補だったクイペルスが外れる一方で西村雄一が復活し、ウルグアイ代表FWスアレスの噛みつきを見逃したロドリゲス(メキシコ)が再登用されるなど、人選にはサプライズが相次いだ。リスト入りしたリッツォーリは、他の候補らとともにコンディション調整に集中する。

“ファイナルレフェリー”の座を巡る争いは、混沌としてきた。

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