ブラジルW杯通信BACK NUMBER
本田が語っていた「最悪の想定」。
初戦黒星からのGL突破“9%”に挑む。
posted2014/06/19 10:40
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Getty Images
「最悪の想定で言えば、初戦で転んだとしてもあとの2戦で勝てばいいというような感じですけどね。理想はもちろん初戦に勝って、勢いよくいくことですけど、大体そんないいようにはいかないのが僕の今までの人生経験ですから」
コートジボワール戦の3日前に聞いた本田圭佑のコメントだ。
最近の本田は、言葉遣いがどこかかしこまっている。米フロリダ州での事前合宿での一人称は、最も素に近い「俺」でもなく、カジュアルな「僕」でもなく、襟を正した「私(わたし)」だった。
最初はやや違和感のあった「私」という響きも、彼がブラジルW杯を「集大成」と表現していることを思えば納得がいった。ブラジルに来てからは「私」とは言わなくなったが、言葉の選び方はやはり丁寧だ。
「最悪の想定」の日本、「想定内」のギリシャ。
果たして、コートジボワール戦の結果は本田の言う「最悪の想定」となった。
計算外だったのは、結果だけではなく内容も最悪だったこと。ショックから立ち直るのに時間を要する様相の選手も散見していた。それでもコートジボワール戦を終えて3日が過ぎ、チームは今ようやく気持ちが切り替わってきた気配がある。
日本のグループリーグ第2戦は6月19日午後7時(日本時間20日午前7時)、ナタールのドゥナススタジアムでキックオフとなるギリシャ戦。絶対に勝たなければいけない試合だ。
ギリシャはコロンビアとの第1戦を0-3で落としているが、単純に結果だけを考えればコロンビアに負けることは「想定内」だったと言えるだろう。コロンビア以外の3チームで2位争いをすると見られているグループC特有のメンタルである。
むしろ、欧州予選12試合中8試合を無失点で乗り切り、計6失点と盤石だった守備陣がまさかの3失点を喫したことが、日本戦にどう作用するかが不気味だ。守備の修正を施してくるのは間違いなく、より集中力も高まってくることも予想されるからだ。