欧州サムライ戦記BACK NUMBER
残り3試合、降格圏のニュルンベルク。
清武弘嗣は愛するクラブを救えるか。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2014/04/25 10:30
「精神的にも厳しい……だけど、まだ落ちたわけではない。まだチャンスはある」とコメントする清武。その不屈の精神で連敗を止めて欲しい。
「あと3試合、死ぬ気でがんばります」
「今シーズン、最初はなかなか勝てなくて、ウインターブレイクが明けてから勝てるようになった。その時も今もそれほど内容は良くないけど、前は勝ち点を取れていたからね。でも、今は勝ち点も奪えず、ほんとうにヤバイ。もう内容どうとか言ってられない。とりあえず勝って勝ち点を積み上げていかないと生き残れないんで、あと3試合、死ぬ気でがんばります」
清武の契約は2015年6月までだが、2部に降格した場合、クラブの収入が2000万ユーロ(約28億円)減収となるという。そうなると大分の時と同じように退団せざるを得なくなる可能性が高い。「人も街も環境も最高」とニュルンベルクに愛着を感じているだけに、同じ轍を踏みたくない思いは強いだろう。そのためには、まさに「死ぬ気」でプレーするしかない。
ただ、少しばかり不安がある。家族が所用で日本に帰国することになり、マインツ戦前から最終戦まで一人での生活になる。家族がいることでうまく気持ちの切り替えができていたが、降格争いの重圧が増し、家族不在の中、落ち込みがちな性格をうまく切り替えることができるどうか。
ラスト3試合、清武にとっては、その“気持ちの切り替え”がチームを救うパフォーマンスの大きなカギになる。