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清武弘嗣が本田圭佑の言葉で変身。
トップ下で生き残る意外な方法とは? 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byBongarts/Getty Images

posted2013/10/23 10:30

清武弘嗣が本田圭佑の言葉で変身。トップ下で生き残る意外な方法とは?<Number Web> photograph by Bongarts/Getty Images

セルビア戦後には「『僕が動いたら誰かが空くし、誰かが動いたら僕が空く』という感じで、15分間悪くなかったと思う。あとは結果が欲しい」とプレーの手応えを語っていた清武。

「曜一朗の心配をしている場合じゃない」

 目指す方向は間違っていないということなのだろう。だが、個々に目を向ければ、明らかに輝きを失っている選手もいる。柿谷曜一朗はその選手のひとりだ。

「曜一朗は、ザックさんから高く評価されているし、だからこそスタメンで試合に出れている。だから、今は結果が出なくても焦る必要はないと思います。ただ、2列目の圭佑君とか(香川)真司君にちょっと気を使い過ぎかな。それが曜一朗のやり方だと思うけど、もうちょいボールを呼び込んだりすればいい。ベンチから見てもいい動き出しをしているし、そこに出ればっていうシーンもあるから。

 でも、俺は曜一朗の心配をしている場合じゃない。自分がやばいです。いつ(代表から)落とされてもおかしくないので、結果を求めてもっと頑張らないといけない」

 2年前、日韓戦で2アシストという衝撃のデビューを果たし、代表に生き残った。その貯金は消え、これからは、1試合ずつの評価が生き残りに繋がってくると清武は自覚している。

「トップ下の生き方」を確実なものにする。

 ニュルンベルクも監督が代わり、清武に対する見方が変わるかもしれない。だが、本田から伝授された「トップ下の生き方」を自分のものして、その動きをチームメイトに理解してもらえれば、清武はさらに結果を出せる怖い選手になる。長谷部誠も「キヨが前を向けば決定的なチャンスを作れる。その回数を増やせるようにサポートしていく」とバックアップを約束してくれている。

「トップ下でのプレーの質を高めて、ウインターブレイクまで最低5点は取りたい。アシストよりもゴールを求めていきたいです」

 プレーの迷いは消え、目標も明確だ。

 これから自身の成長を示すことができれば、ニュルンベルクで新監督の信頼を獲得し、日本代表でも確固たる地位を確立することができるはずだ。

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