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尖閣問題の中国でアジア競技大会!!
打倒・中国でロンドン五輪へ。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKYODO
posted2010/10/26 10:30
9月に開催された第65回千葉国民体育大会、女子100m背泳ぎで59秒13の日本新記録を樹立した寺川綾。この記録でメダル候補の圏内に入った
ホスト国には選手の安全性を確保する責務があるが……。
ところで、ある選手が「大丈夫なんですかね」と口にするのを聞いた。懸念していたのは、安全面の問題だ。
'04年、サッカーのアジアカップで国歌演奏中に激しいブーイングが飛び、日本大使館の公用車が襲われるなどの事態が起きたのはまだ記憶に残っているかもしれない。
そのほかにも、何度か問題が生じたことがある。'05年には、ハンドボールの東アジアクラブ選手権が、安全への配慮から無観客試合で行なわれた。同年の北京国際駅伝では、危険だからという理由から、運営側が日本チームに対し、「ユニフォームの日の丸を見せないでほしい」と要請を行なった。
ホスト国には、選手が安全に、競技に打ち込む環境を提供する責任がある。
大会を招致した中国に、その義務を理解し、責任を果たす能力があるか。さらには、中国のスポーツへの理解という点も、運営から浮き彫りになる。
話はそれたが、なにはともあれ、日本勢のアジアでの現在の位置づけがどこにあるのか、大会の行方に注目したい。