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<ブラジル戦での完敗を糧に> 遠藤保仁の視点 「ここで終わるチームならW杯では1勝もできない」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKeita Yasukawa
posted2013/07/05 06:01
昨年10月の敗北から8カ月――。勝利のプランを秘め、
王国ブラジルに挑んだ試合は、またしても惨敗に終わった。
終始圧倒された90分で、代表最年長ボランチは何を感じたのか。
王国ブラジルに挑んだ試合は、またしても惨敗に終わった。
終始圧倒された90分で、代表最年長ボランチは何を感じたのか。
遠藤保仁が肩を丸めてミックスゾーンに出てきた。疲れ切った表情に、ショックの色がありありと見える。
「うーん、まぁ自分たちが今までやってきたことが何もできなかったからね」
昨年10月の欧州遠征で、0-4と敗れてから8カ月、自信を持って挑んだ試合だった。だが、結果は0-3。サッカー王国のホームゲームとはいえ、スコア的にも内容的にも光明を見出すことが難しい惨敗だった。
そこで改めて突き付けられたのは、以前よりもさらに広がった世界との差だ。その現実が遠藤の表情から力を奪っていた。
「簡単には勝てない相手だと分かっていたよ。それでも勝つために考えていたことはあった。けど、立ち上がりがね……。あれで、すべてが狂ってしまった」
日本は、前半わずか3分、ネイマールに強烈なミドルをブチ込まれ、先制された。それが、どれほどこの試合で大きな意味を持っていたか……。試合前日、日本の勝機について遠藤は、3つのポイントを挙げていた。
その最も重要なポイントが絶対に先に失点しないということだった。
「ブラジル相手に勝つには、それ(先制点を与えない)が大前提でしょ。取られたら相手に余裕を与えるし、相手のペースに巻き込まれてしまう。そうなると点を取るのがすごく難しくなる。逆に、俺らが先に点を取ればかなり面白くなるね。相手は前掛かりになってくるからスペースも出来てくる。そこを突いていけば追加点を奪える可能性も高くなる。