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<モスクワ直撃取材> 本田圭佑 「革命児の美学」 ~ついに明かした“W杯を語らない理由”~ 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTamon Matsuzono

posted2010/08/26 06:01

<モスクワ直撃取材> 本田圭佑 「革命児の美学」 ~ついに明かした“W杯を語らない理由”~<Number Web> photograph by Tamon Matsuzono

批判を覚悟して帰国した本田が感じたギャップの正体。

――確かに日本は盛り上がりすぎたのかもしれない。

「空港に着いたときに、あんなに祝福の雰囲気を作ってくれたのがびっくりで。オレが優勝だの、岡田さんがベスト4だの言っていたから、『結局ダメだったやんけ』という反応があると思っていた。もしかしたら叩かれるかなと覚悟して、帰ったわけですよ。そういう意味で、ギャップがあった」

――お祝いムードに水を差したくなかったから、TVに出なかったのかな?

「みなさんがやたら出演のオファーをくれただけで、いつもこんなもんですよ。こうやって質問されれば、オレがどんなにビッグになろうとしゃべる。人としてこのままで行くというのが、オレのスタイルですから。ただ、やなものは嫌だよ、という感じでね」

――確かに今、質問に答えてくれている。

「口で発することって、自分に通じている部分がある。何を言うかって非常に重要。オレはメディアにしゃべっていることって、自分に話しているということがほとんどやから。あとは公言的なところがあって、『言っちゃったよ』みたいな。自分は弱いからさ。当たり前だけど、人間やから」

「W杯のあとは、はっきり言って、みんな都合よすぎたから」

――ただし、しゃべらないということも、ある意味、自分に跳ね返ってくると思う。たとえば2006年W杯後、語らない選手が多かった。でも、そのときちゃんとメディアに出た遠藤保仁や中澤佑二は、4年後活躍した。自分の中に溜め込むのもよくないと思う。

「いや、ぜんぜん溜め込んでない。まったくしゃべらへんなんていうのは少しもなくて、オレから聞き出してくれということですよ。メディアもプロとして、オレが答えたくなるような、質問をしてくれということです。常にフィフティー・フィフティーでいたいんですよね。オレがプレゼントするんじゃ、そっちは高まらない。お互いがストレスを抱えているなんていうことは当然あるわけで、オレと監督の問題も、オレとメディアの関係もいっしょ。そっちの主張を言ってかまわへんし、オレは常にそっちに主張する。その感覚ができれば、日本のサッカーはもっと素晴らしいものになると思う」

――メディアも申請してダメでしたであきらめていたら、日本サッカーも強くならないと。

「間違いない。ようはオレは都合のいいのが嫌いで。W杯のあとは、はっきり言って、みんな都合よすぎたから。そういうところは人間性として大事にしている部分。カッコいい感じやなと思ったら、オレはしゃべるし。ダサいなと思うときにはしゃべらへんし。シンプルですよ。ヨメにも言われますもん。こんな扱いやすいやつはいないと」

 約20分間の取材を終えた感想。

 やはりこの男、ぶっ飛んでいる。

【次ページ】 監督の意思に反し、トップ下でのプレーにこだわる理由。

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