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高橋、浅田らがソチの前哨戦に挑む!
フィギュア世界選手権の見所、全紹介。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byEnrico Calderoni/AFLO SPORT
posted2013/03/12 10:45
昨年の世界選手権での表彰台風景。2011年からの連覇を成し遂げたチャンを囲む高橋と羽生。この3人にJ・フェルナンデスが絡んでメダルの色を競うことになる!?
羽生結弦とJ・フェルナンデスが今大会有利な点とは?
羽生結弦にとっては、昨年の3位以上の結果を狙う新たな挑戦の場となる。
今シーズンSPで歴代最高点を出し全日本タイトルも手にした彼は、昨年のニース世界選手権で3位に入賞した当時より一回りも二回りもスケールの大きな選手に成長した。その若さと才能のすべてをぶつけてくるに違いない。
彼と同じくブライアン・オーサーの元でトレーニングするハビエル・フェルナンデスも忘れてはいけない。
ザグレブの欧州選手権ではフリーで4回転を3度成功させて、史上3番目に高いスコアを手にした。普段の練習から羽生と刺激しあい切磋琢磨してきている彼が、ロンドンでどこまで実力を発揮できるかが見ものである。
羽生、フェルナンデスともに現在トロントでトレーニングをしているだけに、移動の体の負担もなく、地元の応援も後押ししてくれることだろう。
その他……脇役とは言い切れない実力派揃いの注目選手たち。
また無良崇人、フランスのフローラン・アモディオ、ブライアン・ジュベール、チェコのミハル・ブレジナ、そして米国の新チャンピオン、マックス・アーロンらも、上位に食い込むことを狙って全力を尽くしてくるに違いない。
四大陸で予想外の優勝を果たして波にのっているケビン・レイノルズも、目が離せない選手である。
さらにロシアの若手、17歳のマキシム・コフトゥンがトップ10位に食い込んでロシア男子に五輪2枠をもたらすことができるかどうかにも注目したい。
3度目の世界女王を狙う浅田真央。
一方女子は、さらにエキサイティングな戦いが予想される。
浅田真央、欧州チャンピオンのカロリナ・コストナー、そして2年ぶりに復帰してくるキム・ヨナの3人が、今シーズン初めて顔を合わせることになるからだ。
四大陸選手権では、今シーズン初めて試合で3アクセルに挑戦し、SPでは完璧に決めた浅田真央。総合205.45という今季の女子でもっとも高いスコアを手にしたが、あれからさらに技術、表現ともに完成度を高めてきていることだろう。今シーズンのプログラムはSP、フリーともに評価が高く、彼女がロンドンで本来の実力を出し切ったなら、3度目の世界タイトルを手にすることも十分可能だ。