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本命・東洋大を東海大が追う展開か?
全日本大学野球選手権を展望する。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/06/05 08:00
5月29日の早慶1回戦、慶応のエース・竹内大助は9回途中まで1失点と好投して早大・斎藤佑樹に投げ勝つ。翌々日の早慶3回戦でも5回を4安打2失点と粘りの投球で勝ち投手となり、慶応11季ぶり32度目の優勝の原動力となった
東京六大学を11季ぶりに制した慶応も侮れない。
慶応大は、東京大戦でノーヒットノーランを達成した竹内大助、150キロ以上の快速球を誇る福谷浩司の2年生の左右投手が本格化しつつあり、他校にとっては大きな壁となって立ちはだかりそうだ。打線は早慶戦2回戦で福井優也(早稲田大)が投じた151キロの快速球を神宮球場のライトスタンド中段へ放り込んだ伊藤隼太(3年)をポイントゲッターとし、その前後を固める湯本達司(4年・二塁手)、山口尚記(4年・外野手)、松尾卓征(4年・三塁手)が小技・大技を絡め他校にとっては嫌らしい存在だ。
慶応大と2回戦で対戦するのは愛知学院大と桐蔭横浜大の勝者。ともに3年生の好右腕・浦野博司(愛知学院大)、東明大貴(桐蔭横浜大)が「打倒! 慶応」を胸に、爪を研いでいる。ここを勝ち上がっても、同じブロックには近畿地区屈指の右腕・小林寛を擁する大阪学院大や、九州の強豪・九州共立大など伏兵が揃い、簡単に上位進出をさせてくれそうにない。
今大会で見逃せない将来のドラフト候補たち。
準決勝以降の勝敗予想は皆さんにお任せすることにして、最後に今大会に出場する好選手を改めて整理し、<'10~'12年のドラフト候補>として紹介することにしよう。
●投手(以下、*印は投手は左投、野手は左打)
*塩見貴洋(八戸大4年)、佐藤将太郎(函館大3年)、*森山一茂、柳沢一樹、桑鶴雄太(以上、東北福祉大4年)、中根佑二(東北福祉大3年)、福谷浩司(慶応大2年)、*乾真大、鹿沼圭佑(以上、東洋大4年)、*藤岡貴裕、内山拓哉(以上、東洋大3年)、菅野智之(東海大3年)、東明大貴(桐蔭横浜大3年)、浦野博司(愛知学院大3年)、藤井貴之(同志社大4年)、*大野雄大(佛教大4年)、宮川将、*松葉貴大(以上、大阪体育大2年)
●捕手
中谷雅哉(東北福祉大4年)、佐藤貴穂(東洋大4年)、鈴木翔(東海大3年)、伏見寅威(東海大2年)、小林誠司(同志社大3年)
●内野手
*阿部俊人(東北福祉大4年)、*湯本達司(慶応大4年)、林崎遼(東洋大4年)、*田中広輔(東海大3年)、*吉川佳祐(東海大2年)、脇山渉(創価大3年)
●外野手
*秋山翔吾(八戸大4年)、山口尚記(慶応大4年)、坂井貴文(東洋大4年)、伊志嶺翔大(東海大4年)
ここに挙げた以外でも、スカウト注目の好選手はいる。学校同士の戦いとともに、そういうまだ見ぬ逸材を求めて神宮球場と東京ドームをはしご観戦するのも楽しそうだ。