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村田、杉内らの大型補強で強いはず!?
巨人の戦力データ分析で意外な結果。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2012/03/12 10:31
桑田真澄氏が21年間背負った背番号18を受け継いだ杉内。オープン戦でも好投を見せ、巨人の新エースとして存在感を増しつつある。
充実の先発と手薄なリリーフの落差が巨人の弱点だ。
杉内が大きな戦力になることは間違いないが、それが即巨人の優勝に結びつくかというと首をかしげる。
先発投手陣は確かに力がある。杉内、内海哲也、澤村拓一、ホールトン、東野峻と実力者が揃い、残り1枠を西村健太朗、ゴンザレス、金刃憲人らで争う陣容は12球団屈指と言っていい。
しかし、昨年優勝した中日を見ればわかるように、重要なのは終盤の戦い方である。
67試合に登板して、20セーブ、25ホールドポイントを記録した久保裕也は、昨シーズン終了後に行なった右股関節の手術で、出遅れが必至。新外国人マシソンはコントロール難で「守護神」というほどの信頼感を得られておらず、山口鉄也、越智大祐の抑えとしての適性は、この2年間のテストで「ノー」と答が出ている。
長嶋巨人が4番打者ばかり揃えて勝ち切れなかった教訓が、原巨人に生かされていない。
昨年完投が最も多かったのは楽天の23である。この楽天でさえ残りの121試合はリリーフの出番になる。終盤の<勝利の方程式>を確立できなかった楽天が5位に沈んでいるのを見れば、先発投手陣ばかり厚くする補強は正しくないと言っていい。
見てくればかりきらびやかな先発完投型を揃え、リリーフ陣に人材を得ていない巨人は、どこに向かって進もうとしているのだろうか。