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“しずちゃん”の陰に隠れた、
日本女子史上最高の名勝負。
~ボクシング五輪代表の座をかけて~
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph byBOXING BEAT
posted2012/02/24 06:00
僅差で新本亜也(左)を降した箕輪綾子。3月のアジア選手権の成績を受け代表が決定する
過去にないほどの盛り上がりを見せた、第10回全日本女子ボクシング選手権大会(2月8~11日、広島)。ロンドン五輪で初めて採用されるこの競技の予選代表選考も兼ねた重要大会に、プロの世界戦をもしのぐ数のメディアがかけつけた。
そのお目当てはミドル級に出場したタレント山崎静代だったが、この日一番の見ものはフライ級決勝だった。男子の村田諒太とともに五輪のメダルに最も近いと期待される新本亜也と、ライバルの箕輪綾子が2分4ラウンドをフルに打ち合い、わが国女子ボクシング史上に刻まれるべき名勝負を演じたのである。