濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
アジア戦略に創世期の再現なるか!?
K-1、起死回生狙う中国大会開催。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph bySusumu Nagao
posted2011/09/27 10:30
中国大会の出場が決まっているバダ・ハリ。K-1には昨年4月に行なわれた、横浜大会以来の参戦となる
“日本の軽量級”と“アジアのヘビー級”の二本柱へ。
K-1 GP決勝大会も、中国ないしはアジア(日本以外)で開催される見込み。おそらく、今後のK-1は国内のMAX(軽・中量級)、中国・アジア各国でのWORLD GP(ヘビー級)という二極化、あるいは“二本柱化”が進むのではないか。9月25日のK-1 MAX大阪大会は、出場選手の大半が日本人。一方で南京大会の出場予定選手には日本人の名前がない。
これまでは日本でのテレビ中継が前提だったために、どんな国での大会でも日本人の存在が欠かせなかった。だが中国をビジネスの本拠地と考えれば、その必要はないということだろう。
果たしてヘビー級による戦いで輝きは取り戻せるのか?
K-1は、中国を皮切りにして、創成期の再現からやり直そうとしているのではないか。
まずは大型選手たちの派手な倒し合いという“非日常”でマーケットを開拓し、その後にテクニカルな軽・中量級、そして総合格闘技(かつてのHERO'S、現在のDREAM)を根付かせるという手法だ。
一流企業でも苦戦を強いられる中国というマーケットで、K-1が成功できるかどうかはまだ分からない。長い時間を要するプロジェクトであることも確かだ。ビジネスの様相を客観的に見れば、アジアでの経営再建か、自転車操業がパンクするかの綱渡り。それでも、可能性はここにしかない。K-1の発祥国は日本だが、未来永劫メインマーケットである必然性はどこにもないのだ。