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ザックジャパン、予選の戦術再考か?
ウズベク戦ドローから見えてきた課題。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2011/09/07 11:45
「次はホームで戦えるので、あまり勝ち点3を取れなかったからと考えずにやっていきたい」(遠藤)、「3次予選の6試合の中で今日のアウェーが一番難しい試合だと思っていました」(長谷部)、「パスサッカーが自分たちのサッカーということに、こだわらなくてもいいのかなと思っています」(岡崎)
ウズベキスタンのサポーターで埋まったパフタコールスタジアム。試合終了のホイッスルが鳴ると、ピッチでは日本の選手もウズベキスタンの選手も次々とピッチに座り込んだ。どちらが決勝点を決めてもおかしくはなかったスリリングな展開に、スタンドからは拍手が起こった。「面白かった」ということなのだろう。
アウェーの初戦、3次予選最大のライバルとなるであろうウズベキスタンに1-1ドロー。結果だけ見れば悪くはない。
アルベルト・ザッケローニも試合後、サバサバした表情で会見場に現われた。
「難しい試合になった。前半、日本はポジション同士の距離感が良くなくて、相手にスペースを与えてしまっていた。後半に入ると相手が同じペースで来るのは難しいと思っていたし、案の定、ペースが緩くなってそこからボールを回し始めることができた。
前半のウズベキスタンはボールに入ってくるスピードが速く、試合開始の時点からしっかりゲームに集中してきた。日本は前半、良くなく、逆に相手はよかった。ウズベキスタンはミスも前半はほとんどなかった」
「経験のある選手を配置しようと思った」と阿部のボランチ起用。
指揮官の言葉どおり、前半は厳しい戦いを強いられた。
8分に混戦からジェパロフに先制点を決められたことで、ウズベキスタンを勢いづかせてしまった。
ザッケローニはこの日、珍しくメンバー構成を変えてきた。「厳しい戦いになるので経験のある選手を配置しようと思った」と阿部勇樹をボランチで初めて先発起用し、4-2-3-1のトップ下に長谷部誠を置いた。指揮官にとってW杯予選で初めてのアウェーということもあって、相手をリスペクトした形で試合に入ったと言える。
しかし、これがうまくはまらなかった。
フィジカルの強いボランチのアフメドフが前に仕掛けて出てくると簡単に食い止められず、2トップの一角で下がり目のポジションを取ったゲインリヒにフリーでボールを持たれてしまう。押し込まれると全体が間延びし、相手に簡単に前を向かせてボールを持たせてしまうケースが多かった。両サイドも強く、特にジェパロフのいる左サイド(日本の右サイド)に手を焼いた。