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日本一早い、2005年のドラフト戦線 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byWaseda Sports Press

posted2005/01/19 00:00

日本一早い、2005年のドラフト戦線<Number Web> photograph by Waseda Sports Press

 スポーツ紙を読んでいると、12球団がどういうアマチュア選手獲得を狙っているのかが、少しずつ伝わってくる。

◇ヤクルト 武内晋一(早大・一塁手)

◇巨人 武内晋一(早大・一塁手)

◇阪神 武内晋一(早大・一塁手)、吉見一起(トヨタ自動車・投手)、岡田貴弘(履正社高・外野手)

◇広島 大前佑輔(社高・投手)、山口俊(柳ヶ浦高・投手)、松橋拓也(駒大苫小牧・投手)

◇横浜 岡田貴弘(履正社高・外野手)、辻内崇伸(大阪桐蔭高・投手)、平田良介(大阪桐蔭高・外野手)、柳瀬明宏(龍谷大・投手)、斎藤信介(NTT西日本・投手)

◇ソフトバンク 山口俊(柳ヶ浦高・投手)

◇ロッテ 辻内崇伸(大阪桐蔭高・投手)、平田良介(大阪桐蔭高・外野手)、松田宣浩(亜大・三塁手)

◇オリックス 平野佳寿(京都産業大・投手)、森山周(ヤマハ・遊撃手)

 以上が僕の知り得たスポーツ紙情報である。中日、西武、日本ハム、楽天の4球団は不明だが、似た顔ぶれであることは想像に難くない。違う名前が出てくるとしたら、次のような選手だろうか。

〔高校〕山室公志郎(桐光学園・投手)、木下達生(東邦高・投手)、鶴直人(近大付高・投手)、若竹竜士(育英高・投手)

〔大学〕福田聡志(東北福祉大・投手)、青山浩二(八戸大・投手)、越智大祐(早大・投手)、原島正光(明大・外野手)、会田有志(中大・投手)、高木啓充(大阪体育大・投手)

〔社会人〕栂野雅史(新日本石油・投手)、小出琢磨(富士重工業・投手)、渡辺亮(日本生命・投手)

 これらのドラフト上位候補を見て気づくのは、05年が「高校生の当たり年」であるということ。大学生は安定供給源だった東京六大学、東都大学リーグに例年のような迫力がなく、首都大学、神奈川大学リーグも精彩を欠いている。いいのは関西勢で、これまでに名前が出ている以外でも高野圭太(大阪体育大・投手)、岩田稔(関西大・投手)が春、秋の成績次第では上位指名に割って入る可能性を秘めている。ただ、首都圏勢に華々しさがないと、全般の印象が薄れるというのも事実。そういう意味では武内、越智、原島、松田の奮起は非常に重要。3年までの成績は正直言って、不満である。

 社会人も首都圏勢より東海・関西勢に上昇気配を感じる。吉見、森山、斎藤、渡辺はドラフト指名解禁年に合わせての台頭。1年持ち越しの小出や故障開けの栂野にくらべると、勢いが違う。

 それでも、今年に限れば高校生のほうが上。逸材は大阪、兵庫など関西に集中するが、北海道、東北、関東、北信越、東海、中国、四国、九州にも目の離せない選手が分布し、充実ぶりを物語っている。

 個人的に追いかけたいのは次の選手たち。

 林裕也(駒大苫小牧高・二塁手)、長島一成(修徳高・三塁手)、福田力斗(銚子商・遊撃手)、松井佑介(大商大堺高・三塁手)。

 すべて野手になったのは偶然ではない。来年はこの傾向に拍車がかかり、さらに野手に注目が集まるはず。投手だけにスポットライトが集まるこれまでの偏向報道が徐々に変わっていきそうだ。

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