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Jリーグの監督去就で考える、
“日本代表チーム”の立ち位置。 

text by

杉山茂樹

杉山茂樹Shigeki Sugiyama

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posted2010/01/02 08:00

Jリーグの監督去就で考える、“日本代表チーム”の立ち位置。<Number Web> photograph by AFLO

2年連続で2位に終わった川崎Fの関塚隆監督。タイトルを獲得できなかったことを受けて今季限りの退任が決まった

南アW杯での日本代表の立ち位置は新潟であり大分なのだ。

 それは、南アW杯に出場する日本代表を取り巻く状況とも似ている。絶対に負けられない戦いを、気がつけばメディアは代表チームに求めている。敗戦を恥ずかしいことだと捉えがちだ。日本の立ち位置をわきまえずに。

 自らの小ささをなかなか認めようとしないのだが、それをしない限り工夫は生まれない。やりくり上手にはなれない。W杯本大会では、日本は新潟であり大分だ。うっかりしているとJ2落ちもあり得る典型的な地方都市のチームだ。

 そうした視点に立つと、Jリーグのビッグクラブでそれなりの結果を残す監督より、中小のクラブで、年間予算の順位を上回る結果を残した監督のほうが、日本代表の監督には向いているという話になる。横浜F・マリノスで実績を残した監督より、就任するや、それまで下位に低迷していた千葉を、上位に引き上げた小国ボスニア・ヘルツェゴビナ出身の監督のほうが、タイプ的にははるかに適しているのかもしれない。

 自らの立ち位置に敏感になること。すべてはそこから始まる。僕はそう思うのだ。

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