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西岡剛「今はまだ突っ走ってもいい」
text by
橋本清Kiyoshi Hashimoto
photograph byHideki Sugiyama
posted2008/04/17 17:12
──たしかにツヨみたいなのは珍しいわな。
「珍しいというか、いないんじゃないですかね。先輩に野球やる気あるのって言われるくらい。なんで適当にやってて試合出れんのって言われてしまう」
──そういうふうに見えてしまう。ホンマ言葉悪いけど「チャラ男」。
「はいはい、そういう言葉似合いますね。実際そう思われてますよ」
──それに対してどう思うの?
「周りがどうこう言おうが、現時点でユニフォーム着て試合出て、結果残せば何も言われへんかな、別にいいかなと。その代わり、結果出さんようになったとき、すぐに落とされるでしょうね。でも僕は、そのギリギリの一線でやりたい」
──確かに実力がすべての世界やもんな。
「今年に入って気づいたこともあるんです。去年、僕は3割打って給料も大台に乗りました。今はコーチも先輩もなにも言わないです。ただ、それに甘えてはいけないなって。たとえば、みんな同じTシャツで練習してるときに、僕だけ違う格好いいTシャツ着てても、今はなにも言われない。結果残す前やったら『お前なんやねん』ですよ。そういうとこをね、僕がそういうことしたらダメだなと気づき始めました」
──じゃあ、もうせえへん?
「しますよ(笑)。するけど、あんまりね」
──調子に乗らんように。
「そういうことです。ただね、媚び売ったりゴマすったりはしたくないですけど、やっぱりどこかで頭を下げなあかんこともあるって、最近気づきました。折れなあかんときもある。でも、今はまだ突っ走っていいんじゃないかと思うんです。周りはアホちゃうかと思うでしょうけど、普通にはしたくないんですよ。年とったときに『あいつホンマすごかったね』って言われるくらいのことはしたい。野球の結果はもちろんですけど、それ以外でも。監督しばいて辞めていったとか(笑)」
──あっと驚かせたい。人と同じように見られるのは嫌なんでしょ。
「はい。普通の23歳なんだけど、僕普通じゃないんです。アホなんですよ」