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プロレス記者歴42年の筆者を唸らせた出来事。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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posted2005/05/26 00:00

 「あっ、やられた! この組み合わせがあったのか……」

 思わず叫んでしまった。ニタリと笑う三沢のしてやったりの横顔が目に浮かぶ。

 4月24日の日本武道館。7・18東京ドーム大会の主要カードの発表があった。

 全日本を退団した川田利明がフリーになった時点で、私には三沢vs.川田の5年ぶりの対決は予測できた。が、“そのカード”だけは私にとって全くの想定の範囲外であった。

 『小橋建太vs.佐々木健介=時間無制限、1本勝負』

 大きく映し出された電光掲示板の文字に、満員の館内には唸るような歓喜のどよめきが起こった。メーンの王者・力皇猛vs.挑戦者・斎藤彰俊のGHCタイトル戦が吹き飛ぶほどの衝撃であった。まったく私の認識が甘かった。ノアの仕掛けには見事に一本取られてしまった。まさに心憎いほどの演出である。

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