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映画「レスラー」に重なる
現実の名選手の「末路」。
――97歳をぶち投げた元“帝王”。
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph byNiko Tavernese for all Wrestler photos
posted2009/05/15 06:00
6月上旬公開予定、ミッキー・ローク主演の映画「レスラー」の評判がいい。米国のメジャーWWEで活躍していたTAJIRIは「仲間が出ているから懐かしくって」と、笑顔で言った。
栄光からドン底へ――。ストーリー自体はありきたりだが、ミッキー・ロークの演技が光る。プロボクサーに転向し、'92年6月23日、両国国技館で無名のダリル・ミラーに1R2分8秒でKO勝ちを収めたが、あの猫パンチで嘲笑を買い、スクリーンからも転落した彼の人生とダブって見えるのだ。ドン詰まりの状態を、身を削って見事に表現していた。さすがアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされただけのことはある。