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しなやかな豪腕、巽真悟はジンクスを打ち破れるか。
text by
永谷脩Osamu Nagatani
posted2009/01/16 00:00
かつて「五輪イヤーのドラフトは有望選手が多い」と言われていたものだ。しかし今や五輪代表もプロ主体になってしまい、この格言は過去のものになりつつある。そんな中、ソフトバンクが外れ1位で指名した近畿大・巽真悟は各球団の評価が例外的に高い逸材である。
ドラフト会議前「希望球団はない」と表明しながらも、岸孝之ら細身の投手が活躍している西武ライオンズに、密かに憧れていたと言う。ところがドラフト会議後、大学の2年先輩にあたる大隣憲司(ソフトバンク)から電話をもらうと感激し、すぐに入団の意志を固めている。
ソフトバンクには甲藤啓介を含め近大出身がふたりいるため心強いが、縦社会の野球界では一生頭が上がらないのでは、という不安もあった。しかし「下克上もある」と言われて勇気がでたと打ち明けるのだから、なかなか気骨を感じさせる。