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北島康介、五輪へ向けついに始動!!
世界水泳「金と0.22秒差」の舞台裏。 

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川上康介

川上康介Kosuke Kawakami

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photograph byAFLO

posted2011/08/01 11:50

北島康介、五輪へ向けついに始動!!世界水泳「金と0.22秒差」の舞台裏。<Number Web> photograph by AFLO

「悔しいけど悔いはない。最後は久々に頭ん中、真っ白になった。やられたけど、こういうの必要」。レース後に発せられた“北島節”も貫禄十分だった

「それでも一人では戦えない」という大事な約束。

「僕が勝てば一緒に喜んでくれ、負けた時は励ましてくれる。悩んだ時はそっと見守ってくれ、顔を上げれば力を貸してくれる。そんなたくさんの仲間がいてくれるからこそ、僕はこれまで泳いでこられたし、これから先も泳いでいくことができる」

 完敗を喫した北島に真っ先に手を差し伸ばしたのは、かつての恩師である平井伯昌ヘッドコーチだった。いい時の北島の泳ぎを知り尽くしている平井は、100mの決勝翌日から北島につきっきりで指導、アドバイスを送り続けた。

 さらに日本代表チームに帯同するトレーナー陣も必死に北島の体をほぐした。

 精密機械のような北島の体だが、もう決して若くはない。疲れがたまり、動きが悪くなると簡単にはもとに戻せない。それを連日連夜のマッサージで、丁寧にときほぐし、200mを戦える体に持っていったのだ。

 また北島自身がtwitterなどに寄せられた激励、応援の声にかなり励まされたと言っている。今の日本にとって、北島康介という存在がどれだけの期待を背負っているか、改めて気付いたのではないだろうか。

未来=ロンドンオリンピックへ向けて、ついに本格始動!!

 この2つ以外にも「進化のための変化を恐れない」、「プレッシャーを力に変える」などの“約束”があってこその今回の銀メダル。北島としては、当然金狙いだっただろうから、満足はしていないだろう。

「負ける度に課題を発見し、次に向かうことができる。悔しく思う気持ちも大切だと思っている。悔しさは未来への原動力になる」

 未来=ロンドンオリンピックに向けて、北島の本格始動はこれからなのかもしれない。

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