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「大阪桐蔭に勝って少し浮かれた」決勝6失点KOでボウ然から1年…報徳学園“Wエース主将”とベンチからの「油断するな、気を抜くな!」 

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間淳

間淳Jun Aida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/03/31 11:03

「大阪桐蔭に勝って少し浮かれた」決勝6失点KOでボウ然から1年…報徳学園“Wエース主将”とベンチからの「油断するな、気を抜くな!」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

報徳学園の“ダブルエース”の一角・間木歩。背番号1のキャプテンは1年前のリベンジに燃えている

 宿敵に勝利した翌日の休養日、大角監督はミーティングで選手に「不動心」の大切さを伝えていた。

「今できることに集中しよう」

 歓喜するのは、まだ早い。大阪桐蔭を下した選手たちを称えながらも、手綱を緩めなかった。

 選手たちも理解していた。中央学院戦では、ベンチから「油断するな!」、「気を抜くな!」という声が飛び交った。徳田が語る。

「きのうの練習終わりに、みんなでマウンドに集まって『絶対に次の試合は落とさない』と気を引き締めました。いつも一戦必勝の気持ちで戦っていますが、今年は大会前から日本一を目標にしてきましたから」

昨年は大阪桐蔭に勝って少し浮かれてしまった部分が

 山梨学院との決勝にスタメンで出場し、悔しさを知る西村は1年前との違いを口にする。目の前の試合に集中する一戦必勝の姿勢は昨年同様だが、チームは1つ先のステージに進んでいる。

「昨年は大阪桐蔭に勝って気持ちが高ぶり、少し浮かれてしまった部分がありました。今年は浮かれる雰囲気がありません。このチームをスタートした時から日本一と繰り返し口にしてきたからだと思います。それから、ピンチや失点でチームが慌てません。失点しても構わない場面と失点してはいけない場面のメリハリをつける声掛けができていると思います」

 報徳学園は2年連続で決勝の舞台に臨む。準決勝に勝利して燃え尽きた昨年とは違う。大阪桐蔭相手の勝利も、決勝進出も通過点。今年は頂点しか見ていない。

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