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高校中退した17歳がプロ野球で圧倒「球が速すぎた」あのピッチャーが2位…松坂大輔でも島袋洋奨でもない「センバツ史上最強投手」は誰?

posted2024/04/01 11:00

 
高校中退した17歳がプロ野球で圧倒「球が速すぎた」あのピッチャーが2位…松坂大輔でも島袋洋奨でもない「センバツ史上最強投手」は誰?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

センバツ甲子園「史上最強投手」は誰か?(写真は今春センバツの優勝投手、健大高崎の佐藤龍月)

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太田俊明

太田俊明Toshiaki Ota

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Hideki Sugiyama

 健大高崎の初優勝で幕を閉じた今年のセンバツ甲子園。長い歴史の中で幾多の好投手が出現してきたが、最強ピッチャーは誰なのか。「最強=相手打者を圧倒した投手」という視点で考えてみたい。

 ランキング化にあたり、まず、戦後のセンバツ大会で投球回を27以上投げた投手の中から、奪三振率(9回あたりの平均奪三振数)が8以上の投手を13人ピックアップした。そのうえで、奪三振率被安打率(9回あたりの平均被安打数)、防御率WHIP(1回あたりに許した出塁数)の4項目で比較。それぞれ1位に13点、2位12点、3位以下に1点ずつ減点したポイントを与え、総獲得ポイント数の多い順にランキング化した。さっそく10位から見ていこう(高校・プロ球団は当時の名称)。

9位は「プロで外野転向した」選手

10位 島袋洋奨(興南/沖縄) 22ポイント
各項目の結果:奪三振率10.93(4位)、被安打率6.59(11位)、防御率1.29(9位)、WHIP1.02(10位)

 2009、10年の2度センバツに出場。174cmと小柄な体躯ながら、身体をいっぱいに使ったトルネード投法を武器に、150キロに迫る快速球で三振の山を築いた。甲子園デビューとなった2年時、09年の1回戦富山商戦で、毎回の19奪三振で強烈な印象を残した。3年時、2010年のセンバツでも、初戦の関西戦で14奪三振。2回戦の智弁和歌山戦で11奪三振。この大会を制した。

9位 柴田勲(法政二/神奈川) 23ポイント
各項目の結果:奪三振率9.26(7位)、被安打率6.62(12位)、防御率0.79(7位)、WHIP0.91(7位)

 1960年夏、61年センバツを制し、“甲子園史上最強チーム”の呼び声も高い法政二の絶対エース。怪童・尾崎行雄(浪商)との3度に及ぶ対決は、投手戦の白眉として今も語り継がれている。強力打線の援護もあって、優勝を見据えてペース配分しながら投げている印象があったが、もし各試合で全力投球していたら順位は上がったかもしれない。卒業後は巨人に投手として入団したが、高い野球センスを買われて1年で外野手に転向。日本初の本格的スイッチヒッターとなり、俊足のリードオフマンとしてV9に貢献した。通算579盗塁はNPB歴代3位。

【次ページ】 8位は奥川恭伸、6位「平成の怪物」

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