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「あの時のことはもういいんじゃないかな」ロッテ・松川虎生が“あえて捨て去る”「完全試合の記憶」…打撃向上で正捕手を目指す20歳の決意

posted2024/03/07 11:05

 
「あの時のことはもういいんじゃないかな」ロッテ・松川虎生が“あえて捨て去る”「完全試合の記憶」…打撃向上で正捕手を目指す20歳の決意<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

今季も二人の笑顔が見たい「黄金バッテリー」の佐々木朗希(左)と松川虎生

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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Chiba Lotte Marines

 2022年4月10日、ZOZOマリンスタジアムでのバファローズとのデーゲーム。史上最年少で完全試合をリードした捕手、松川虎生は18歳、ルーキーイヤーだった。早いものであれから2年の歳月が経とうとしている。迎えた24年春。若者は強い決意を胸にプロ3年目のシーズンに向けた挑戦の日々を送っている。

「1年目、2年目と悔しい想いをしてきた。3年目はしっかりと結果を出して信頼してもらえるように、と思っている。もうそろそろホンマに結果を出さないと後がない。危機感はもちろんあります。厳しい世界だと分かっている。与えていただいているチャンスをしっかりとものにしないといけないし、一瞬一瞬で結果を出せるように頑張っていきたい」

昨季は出場9試合

 1年目はプロ野球史上3人目の高卒新人捕手での開幕スタメンに名を連ね、それから1カ月も経たないうちに完全試合に導くなど76試合に出場。それでもシーズンオフのメディア対応ではことあるごとに「結果が出ずに悔しい一年だった」と口にした。迎えた2年目の昨年は首脳陣の育成方針から二軍で実戦経験を積み、一軍ではわずか9試合の出場に留まった。悔しさはさらに募った。

 危機感を覚える出来事もあった。昨オフ、同期入団の育成選手1名が、1期前のドラフト指名選手では育成を合わせると3人の選手が自由契約となり、マリーンズのユニホームを脱いだ。少し前まで一緒に戦った仲間だった。華やかさと厳しさ。プロ野球の現実を目の当たりにした若者は、過去に甘んじることなく現状打破にガムシャラに取り組むことを決意した。

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