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「(批判が)集中し過ぎだと思う」鈴木彩艶21歳を支える先輩・前川黛也の“声掛けの中身”…「TVには映らない」GK3人組の知られざる関係性 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2024/01/26 17:02

「(批判が)集中し過ぎだと思う」鈴木彩艶21歳を支える先輩・前川黛也の“声掛けの中身”…「TVには映らない」GK3人組の知られざる関係性<Number Web> photograph by Getty Images

アジアカップではここまで全ての試合でゴールマウスを守る鈴木彩艶

 GK陣は現在、左手首負傷の影響で別メニューになっている野澤大志ブランドンがイラク戦、インドネシア戦と2試合連続でベンチ外。振り返れば2011年アジアカップではグループリーグ第2戦シリア戦の72分に川島永嗣が一発退場となり、その試合の途中からピッチに立った西川周作が続く第3戦のサウジアラビア戦でゴールマウスを守った例がある。

 何が起こるかわからない中で、前川は自身の置かれている立場や役割を十分に理解したうえでこのように言う。

「一番はケガをしないことだと思っている。ケガをせずなおかつ競争もしつつ、(試合に)出る時、出ない時、それぞれの立場でまっとうすることが一番だと思っているし、それを意識してやっている」

 厳しい風当たりを受けている鈴木に対して、ここ数日で何か声を掛けたかと尋ねると、「いや、特にはないっすね」とさらっと言った。

「試合に臨む時の確認だったり、『こういうのは続けていこう』という声掛けくらいです。毎日声を掛けるとか、特別な声を掛けるとかはしていない。彼もプロフェッショナルな選手なので、彩艶には彩艶のやり方、次の試合に向けての切り替え方がある。そこはしっかり尊重しながらも、ちょっとでも助けになればなと思うことは言ったり。それくらいです」

 これが前川の気遣いだ。

 野澤も自分の負傷で精一杯と思われる中、「サポートできるところはしたい」とGKチーム全体のことをしっかり考えている。

西川周作と「共有してきた解決方法」

 一方、インドネシア戦後に鈴木はこう言っている。

「ゴールキーパーである以上、自分としては何があってもメンタリティーを保ってプレーすることは心掛けている。前川選手やゴールキーパー陣には良い声を掛けて貰っているし、自分が気持ち良くプレーできる環境を整えて貰っている」

 浦和時代のチームメートであるGK西川周作からのエールにも力を貰った。西川はイラク戦後にSNS上に「GKチームで応援しているよ。大丈夫。GKにしかわからない事たっくさんある。そして俺たちには共有してきた解決方法がある」と投稿。昨年5月6日にAFCチャンピオンズリーグを制した時の記念ショットを添え、「勇敢であれ!! 頑張れ!! ザイオン!!」と後押しした。

 西川がSNSに書き込んでいた「共有してきた解決方法」について、鈴木は「(失点シーンに関しては)GKにしか分からない解決策というのがある。経験していない人に理解されにくいのはGKの難しさだけど、GKである以上、その解決策を次のゲームに活かし続けることが必要」と、先輩GKの思いを受け取った。

「だから、自分がピッチでプレーを発揮するだけ」

 鈴木は試練を乗り越えて掴み取りにいくアジアの頂点へ、思いを馳せている。

#4に続く
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