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波紋の佐々木朗希「ロッテは踏み台か」「密約あったのでは?」の誤解リスク…なぜファン冷ややか? 松井秀喜、大谷翔平の“メジャー挑戦時”は… 

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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posted2024/01/26 06:03

波紋の佐々木朗希「ロッテは踏み台か」「密約あったのでは?」の誤解リスク…なぜファン冷ややか? 松井秀喜、大谷翔平の“メジャー挑戦時”は…<Number Web> photograph by JIJI PRESS

波紋を呼んでいる佐々木朗希「メジャー挑戦」の報。なぜファンは冷ややか?

 大谷翔平は17年オフのメジャー挑戦表明会見で〈自分が入団してから約5年間、ファイターズでお世話になった。自分が(投手と打者)2つやってきたことが、球団、日本球界にとってプラスになるのかと思ったときもあった〉と苦悩を語りながら、〈入団当初から応援してくださったファンや温かく指導してくださったコーチ、チームメート、球団の方々、栗山(英樹)監督、いろんな人に支えられ、この5年間、一日一日大切にしながら前に進むことができた。本当に感謝しかない〉と礼を表した。

 そして、〈日本球界に恩返しできた部分があるか自分では正直わからないが、そういう気持ちをもって頑張っていきたい気持ちは変わりない。それも踏まえ球団のほうに話をさせていただいた〉(※3)と誠実さを感じさせた。

待たれる「本人の言葉」

 彼らの言葉は、新渡戸稲造の『武士道』に通じる。著書を読むと、「義(正しさ)」「仁(思いやり)」「礼(謙虚さ)」「誠(誠実さ)」などが日本の道徳観の根底にあると感じられる。

 良くも悪くも、現代も日本ではこれらの精神が重んじられている。だから、現状の報道を見聞きすれば、多くのファンが疑問に感じるのだろう。

 松井やダルビッシュ、大谷の発言から「義」「仁」「礼」「誠」を感じ取ったから、ファンはアメリカに行っても声援を送った。佐々木朗希も大事に育ててくれているロッテに感謝の気持ちがあるに違いない。ただ、異例の事態にもかかわらず現時点で、本人の声、そしてなぜ契約がまとまらないかが伝わってこないため、どうしても「実働3年でメジャー挑戦とは何事だ」と思われてしまうのではないか。契約更改を終えたら、会見で正直に自分の言葉で一連の報道について話してほしい。本人もファンもわだかまりが残ったまま、シーズンに突入しては何のプラスにもならない。

※1 2002年11月2日付 日刊スポーツ
※2 2012年1月24日配信 スポニチアネックス
※3 2017年11月11日配信 産経新聞 一連の大谷発言

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