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「日本で無敵のままメジャー」山本由伸はドジャースで成功するか? ダルビッシュ、田中将大の“成績”からズバリ予想「サイ・ヤング賞の現実味」

posted2024/01/25 11:04

 
「日本で無敵のままメジャー」山本由伸はドジャースで成功するか? ダルビッシュ、田中将大の“成績”からズバリ予想「サイ・ヤング賞の現実味」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

来季からメジャーでプレーする山本由伸

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太田俊明

太田俊明Toshiaki Ota

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JIJI PRESS

 山本由伸が、投手としてはメジャー史上最高額となる12年総額3億2500万ドル(約465億円)でドジャースに入団した。野茂英雄とドジャースがわずか10万ドル(当時のレートで980万円)で契約した1995年とは、隔世の感がある。

沢村賞の翌年にメジャーは“3人目”

 メジャー挑戦の前年に沢村賞を受賞した投手は、2013年に「24勝無敗」という驚異の成績をあげて翌14年にヤンキース入りした田中将大、15年に15勝8敗で最多勝に輝き翌16年にドジャース入りした前田健太以来、山本が3人目になる。加えて、3年連続で沢村賞と投手四冠(勝利、勝率、奪三振、防御率)を継続中という、文字通り“現役No.1投手”としての挑戦となるので、日本人初のサイ・ヤング賞の期待は大きい。

 過去の日本人投手はほとんどの場合、メジャー初年度に日本最終年より成績を落としているが、山本はどうか。田中、前田を中心に、日米の成績を比較しながら考察してみたい。

田中&前田のメジャー1年目「奪三振率◎、被本塁打が増」

 まず、田中の渡米前最終年とメジャー1年目の成績は以下のようになる。

【2013年/楽天時代】
登板28、勝敗24-0、勝率.1000、投球回212、被安打168、被本塁打6、奪三振183、与四球32、失点35、防御率1.27、WHIP0.94

【2014年/ヤンキース1年目】
登板20、勝敗13-5、勝率.722、投球回136.1、被安打123、被本塁打15、奪三振141、与四球21、失点47、防御率2.77、WHIP1.06

  1試合当たりの奪三振率は7.77→9.31と増加、1試合当たりの被安打数は7.13→8.12、与四球数は1.36→1.39とそれほど悪化していない。注目すべきは被本塁打数の増加である。日本では1試合当たりわずか0.25本、それがメジャーでは0.99本と約4倍に。これが失点35→47という12点増、ならびに防御率の悪化につながった。

 次に、前田を見てみよう。

【2015年/広島時代】
登板29、勝敗15-8 、勝率.652、投球回206.1、被安打168、被本塁打5、奪三振175、与四球41、失点49、防御率2.09、WHIP1.01

【2014年/ドジャース1年目】
登板32、勝敗16-11、勝率.593、投球回175.2、被安打150、被本塁打20、奪三振179、与四球50、失点72、防御率3.48、WHIP1.14

 1試合当たりの奪三振率は7.63→9.17と、田中と同様に増加。被打率、与四球率とも数字を下げたが、それほど大差はない。一方で、被本塁打数は5→20と大幅に増えた。この被本塁打15本増が、失点49→72の23点増、防御率の悪化(2.09→3.48)に直結している。

【次ページ】 ダルのメジャー1年目「奪三振率◎、四球が増えた」

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