青学大の若林宏樹（3年、2022年5区3位）、創価大の吉田響（3年、2022年5区2位）、城西大には昨季、区間新（70分04秒）を出した「山の妖精」山本唯翔（4年）がおり、誰が区間賞を獲っても不思議ではなく、区間新も十分にありえる面子だ。

一番怖いのは…

「一番怖いのは、吉田さんです。走り方がもう山上り用なんですよ。絶対に強いなっていうのが見ていて分かります。山本さんは平地でも速いですし、前回は区間新を出しているので間違いなく強い。でも、僕も上りが得意ですし、前回のような走りをするわけにはいかない。ライバルが多いですけど、『山の神』に憧れて5区を走る以上、最低でも山の神に近づけるような走りをして、うしろを突き放す仕事をしっかりとやりたいなと思います。

出雲、全日本と5区区間賞を続けている吉田響　©Nanae Suzuki

　前回は、上りではなく、下りで差を広げた。今回、5区で出走した場合、下りで返すのではなく、上り区間でしっかりと差を広げていくつもりだ。

伊藤だけじゃなく、自分も山で力になれたら

全日本大学駅伝では優勝のゴールテープを切った山川　©Yuki Suenaga

「僕は山で何もできなかったですし、（6区の）伊藤にお願いしたというか、山で活躍してもらって助かりました。今回は、1区から4区まで絶対にいい流れを作って来てくれると思うので、僕のところでもっと差を広げる走りをしたいです。伊藤だけじゃなく、自分も山で力になれたらと思います」

　山川は、どんな相手だろうがちぎって上がると覚悟を決めているようだ。

　今季、主力に成長した山川と伊藤は区間エントリーでは補欠にまわり、特殊区間を担うかどうかは分からない。だが、もしふたりが再び揃えば、山道から3冠の景色がはっきり見えるはずだ。 

　＜「伊藤蒼唯」編とあわせてお読みください＞