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「このままではスキージャンプができなくなる」高梨沙羅27歳が語る“危機感”…天然雪が減っている「人工雪は足に響く」ケガのリスクも
posted2023/12/19 11:05
今年10月に27歳になったスキージャンプ高梨沙羅。今回のインタビューではNumberのカメラマンが特別フォトを撮影した
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Kiichi Matsumoto
スキージャンプ高梨沙羅（27歳）、NumberWebの独占インタビュー。「このままではスキージャンプができなくなるかもしれない」人工雪のジャンプ台が増えるなか、危機感を訴える。【全2回の後編／前編へ】
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「人工雪は足に響く」ケガのリスクも
「サマージャンプもあるし、そのうち夏季五輪の競技になっちゃいそうですよね。でもやっぱりジャンプは雪の上でやるものだと思います」
今年10月、国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長は、気候変動の影響により現行基準で冬季五輪の開催が可能な国は2040年までに10カ国に減少するという予測を明らかにした。
天然雪が減っているだけでなく、人工雪を作るための水も貴重な資源になっている。冬季五輪に限らず、将来的にスノースポーツができなくなってしまうかもしれない。そうした危機感は冬季競技の多くのアスリートが共有しているのだろう。
スキージャンプの高梨沙羅もその一人だ。
「ヨーロッパの試合も今は人工雪を使ったジャンプ台が多いんです。自然の雪でできたらいいんですけどね。人工雪は作るだけでエネルギーを使うし、張り付けるのも労力がかかる。本来のスキー競技の姿じゃないんだろうなと思います」
さらに、昨年の北京五輪でアスリートから懸念の声が上がったように人工雪はクッション性に劣り、怪我のリスクが高まる。野球やサッカーでいう人工芝と天然芝のような違いが雪にもあるのだろう。高梨も「人工雪は足に響くことがある」と感じていて、昨季終盤戦を欠場することになった左膝の痛みも、ひょっとしたら人工雪での連戦が遠因となった可能性もある。
女子高で“授業”をした高梨
そんな課題を解決するため、高梨はこの10月、高校で“授業”をした。
どういうことか順を追って説明すると、こういうことになる。
