ヤクルト2位指名の松本健吾（トヨタ自動車）と並んで、来季新人王の有力候補に今から挙げておきたい。

　3位・佐々木俊輔外野手（日立製作所）、4位・泉口友汰内野手（NTT西日本）の野手2人の共通項は、アマチュア球界の頂上近くをレギュラーとして歩み続けてきた経験値の高さだ。

　帝京高→東洋大→日立製作所の佐々木外野手、大阪桐蔭高→青山学院大→NTT西日本の泉口内野手。常に優勝を強く意識しながら、それなりのプレビューの中でチームの中枢としてプレーを全うしながら結果を出してきた事実は、見方を変えれば、すでに3年、4年、プロで闘ってきた選手と考えてもよいぐらいだ。

　佐々木外野手には、今の巨人外野陣の中で、おそらくNo.1の外野守備力がある。特に、正確かつスピーディーなスローイング能力は間違いなく一軍戦力だ。安定したそつのないフィールディングで、二塁手、三塁手もこなせる泉口内野手の融通性も、こういう選手がベンチに1人いたら使う側はとても助かる。

　5位・又木鉄平（投手・日本生命）は、学生時代（東京情報大）の第一印象が鮮烈だった。2年生だったと思う。リリーフで登板して、最初の投球練習の初球の捕球音が「爆発音」だった。ドカンと聞こえたその剛速球で、その後のリーグ戦で15勝したそうだ。

　今夏・都市対抗、序盤2回までに7点を奪われて試合が壊れそうな展開でリリーフ。その後の6イニングを無失点に抑えた実戦力には、正直、驚いた。変化球でもストライクがとれ、3ボールからも粘れる制球力で四球もたった1つ。学生当時とは一変した安定感だった。

楽天3位の高校生、未来図はあの「大魔神」？

【楽天　ドラフト指名選手】

✕　常廣羽也斗　22歳　投手　青山学院大　180cm73kg　右投右打（広島との抽選に敗れる）
✕　前田悠伍　18歳　投手　大阪桐蔭高　180cm80kg  左投左打（日本ハム、ソフトバンクとの抽選に敗れる）
1位　古謝樹　22歳　投手　桐蔭横浜大　182cm75kg　左投左打
2位　坂井陽翔　18歳　投手　滝川二高　186cm84kg　右投右打
3位　日當直喜　18歳　投手　東海大菅生高　190cm100kg　右投右打
4位　ワォーターズ璃海ジュミル　18歳　内野手　日本ウェルネス沖縄高　　177cm76kg  右投右打
5位　松田啄磨　22歳　投手　大阪産業大　186cm73kg  右投右打
6位　中島大輔　22歳　外野手　青山学院大　180cm77kg　右投左打
7位　大内誠弥　18歳　投手　日本ウェルネス宮城高　191cm77kg　右投右打
8位　青野拓海　18歳　内野手　氷見高　180cm83kg　右投右打

【楽天　総評】

　楽天が、新しい時代を迎えようとしている。

　今江敏晃新監督は40歳。「将来型」の好素材を並べた今年のドラフトには、今江監督長期政権の予感があった。

　1位重複の抽選で縁を結べなかった常廣羽也斗（青山学院大）と前田悠伍（大阪桐蔭高）。今の言葉でいえば、確かに「映える」2人だが、実戦力なら1位・古謝樹（桐蔭横浜大）だって、ぜんぜんヒケをとらない。

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