トイレ、シャワーへの“付きまとい”も

　このあたりを境に、試合会場内のセキュリティや動線が少しずつ整備され、選手専用のトイレやシャワーが設置された。

　しかし、浅尾引退後のビーチバレーボール界の台所事情は厳しかった。選手専用のトイレやシャワーがある大会も多いが、運営予算の都合上、現在は公共のトイレを使うことも増えている。

「トイレやシャワーがない会場は、一般の方と同じ施設を使います。試合後、砂を落としにいくと、その辺りで待っているんですよ。選手の動きに合わせてトイレまで付いてくる時もある。こんな報告もあります。シャワーを浴びた後、『一緒に写真を撮らせてください』って近寄ってきて、ある選手がアンダーウエアの前で手を組んだら、撮る時に『そこ隠さないで』と言われたそうです。そういう行動をされると『怖い……』と怯える選手もいますし、カメラを気にしてサーブを打つ位置を変える選手もいるかもしれない。選手が試合に集中できず、負担になってしまうのは絶対にあってはならないことだと思います」

　村上は、スマートフォンによる（選手の肖像を侵害する）悪質なズーム撮影、トイレのつきまといなど、選手たちからの声を吸い上げ、大会主催側に報告。選手たちがよりよい環境で競技に取り組めるよう、アクションを起こしている。

《続くインタビュー第2回では、会場での悪質撮影の取り締まりや、変化しつつある水着ユニフォームの現状などについて語られます》