Number ExBACK NUMBER

「水着を着てるほうが悪い」という風潮も…ビーチバレー“ユニフォーム自由化”の現在とは? 村上めぐみが語る「水着/ウエアの選択肢」

posted2023/11/05 11:01

 
「水着を着てるほうが悪い」という風潮も…ビーチバレー“ユニフォーム自由化”の現在とは? 村上めぐみが語る「水着/ウエアの選択肢」<Number Web> photograph by L)Asami Enomoto、R)Kenji Yamada

日本代表として東京五輪に出場し、現在は選手会長を務めるビーチバレー選手の村上めぐみ

text by

吉田亜衣

吉田亜衣Ai Yoshida

PROFILE

photograph by

L)Asami Enomoto、R)Kenji Yamada

ビーチバレー日本代表として東京五輪にも出場した村上めぐみ。注目の裏で、常に付きまとうのが、選手を脅かす“ユニフォームと盗撮”の問題だ。現在選手会長を務める村上に、当事者としての思いを聞いた。第2回では、会場での悪質撮影の取り締まりや、変化しつつある水着ユニフォームの現状などについて聞いた。《NumberWebインタビュー/全3回》

◆◆◆

 ベテランの域に達し、「若手選手たちの相談に乗ることもある」と言う村上が、競技環境を深く考えるには理由がある。

 ビーチバレーボールは、2019年に国民体育大会(以下、国体)の正式競技として高校生の参加が始まると、アンダーカテゴリーの競技人口は6年前に比べておよそ1.5倍と増加傾向にある。都道府県内にコートがなかった所でもサンドコートが作られるようになり、全国大会出場に向けて中学生から強化をスタートする地域も少しずつ増えてきた。

高校の女子選手は「9割がタンクトップにショートパンツ」

 そんな背景を踏まえ村上が懸念しているのは、アンダーカテゴリーの選手たちにとって、肌を露出するユニフォームが障壁になるのではないか、という点だ。それゆえ、盗撮による肖像権の侵害は、もっとハードルを上げてしまう一因になりかねない。

 しかし、2010年以降、国際バレーボール連盟がオリンピック予選の大陸枠を設けるようになってから、世界的に少しずつ風向きが変わってきた。多種多様な文化を持つ国々と地域の選手が参加できるように、国際バレーボール連盟はユニフォーム規定を改正。タンクトップ、ショートパンツ、Tシャツ、ハーフパンツなどペアでそろっていれば、型は自由。現在、国内大会においても、トップツアーから学生の大会がそのルールに則って施行されている。

 2023年9月に鹿児島県大崎町で開催された「かごしま国体・ビーチバレーボール種目」でも、女子のユニフォームとして上半身はタンクトップ、下半身はショートパンツという装いが9割を占めていた。

選手が語る、ユニフォームのメリット、デメリット

 その状況を見ても、ユニフォームの自由化は求められていると感じる。村上自身も出身地である福井代表の監督と制作企業の相談も受け、男女ユニフォームのタンクトップやショートパンツ、ブラトップなどの開発にも携わった。

【次ページ】 「水着を着ているほうが悪い」という風潮

1 2 3 NEXT
村上めぐみ
浅尾美和
東京五輪

バレーボールの前後の記事

ページトップ